資産運用とトレードの思考実験

実践的な資産運用とトレードの思考実験をAIでやってます。

実質金利とTLT/HYG比率の逆相関メカニズム

実施金利とTLT/HYGがほとんど逆相関の理由は?

実質金利とTLT/HYG(長期国債ETF/ハイイールド債ETF)の比率が逆相関する理由を説明します。

主な要因:

  1. リスク選好の変化 実質金利が上昇する局面では、投資家は安全資産である国債を売却し、リスク資産(ハイイールド債など)へ資金を移動させる傾向があります。これはTLTの価格を下げ、HYGの価格を上げるため、TLT/HYG比率は低下します。
  2. 経済成長期待の反映 実質金利の上昇は、経済成長率の上昇期待や成長率予想の改善を示唆することが多いです。成長期待が高まると、信用リスクの高いハイイールド債のデフォルト懸念が低下し、HYGが選好されます。一方、安全資産であるTLTへの需要は相対的に低下します。
  3. デュレーションリスク TLTは長期国債で構成されており、金利感応度(デュレーション)が非常に高いです。実質金利が上昇すると、TLTの価格は大きく下落します。HYGは相対的にデュレーションが短く、クレジットスプレッドの縮小が価格下落を相殺することがあります。
  4. インフレ期待との関係 実質金利 = 名目金利 – 期待インフレ率です。実質金利の上昇局面では、経済が強く企業収益が改善する環境であることが多く、これがハイイールド債の信用力改善につながります。

この逆相関関係は、市場のリスクオン・リスクオフの動きと実質金利の関係を如実に示しています。

じゃあ実質金利の上昇は株にいいの?

実質金利の上昇が株式にとって良いか悪いかは、上昇の理由と速度によって大きく異なります

実質金利上昇が株式にネガティブな場合:

  1. バリュエーション圧力 実質金利は株式の割引率として機能します。実質金利が上昇すると、将来のキャッシュフローの現在価値が低下し、特に成長株やハイテク株のバリュエーションが圧迫されます。
  2. 金融引き締め局面 中央銀行が積極的に利上げを行い、名目金利の上昇が期待インフレ率の上昇を上回る場合、これは金融引き締めを意味し、株式市場全体にネガティブです。

実質金利上昇が株式にポジティブな場合:

  1. 経済成長の加速 実質金利の上昇が力強い経済成長と企業収益の改善を反映している場合、株式には好材料です。このケースでは、バリュエーション低下を収益成長が上回ります。
  2. 景気回復局面 不況からの回復期に実質金利が上昇する場合、これは景気改善のサインであり、シクリカル株や金融株にとってはポジティブです。

実務的には:

  • 実質金利が緩やかに上昇し、経済成長が伴う → 株式にポジティブ
  • 実質金利が急激に上昇し、金融引き締めを反映 → 株式にネガティブ
  • セクターによっても影響が異なり、金融株は実質金利上昇に強く、グロース株は弱い傾向があります

つまり、単純に「良い・悪い」ではなく、コンテクストが重要です。

ゆっくり上がってます

ゆっくりと実質金利が上昇している状況なら、株式市場にとっては比較的良好なシナリオと言えます。

緩やかな実質金利上昇が示唆すること:

  1. 健全な経済成長 急激な金融引き締めではなく、経済が持続的に成長している証拠です。企業収益の改善期待が高まり、バリュエーション低下を相殺できる可能性があります。
  2. 市場の消化時間 ゆっくりとした上昇は、市場が金利環境の変化を段階的に織り込めるため、パニック的な売りが起きにくいです。
  3. セクターローテーション この環境では:
  • 金融株が恩恵を受けやすい(利ざやの改善)
  • バリュー株が相対的に強い
  • グロース株/ハイテク株は圧力を受けるものの、緩やかなら致命的ではない
  • シクリカル株も経済成長期待から支持される

現在の投資戦略として考えられること:

  • ポートフォリオをバリュー寄りにシフト
  • 金融セクターへのエクスポージャー検討
  • 過度にバリュエーションが高いグロース株は慎重に
  • ただし、経済成長が伴うなら株式全体としては投資可能な環境

実質金利の上昇ペースと経済指標(GDP成長率、企業収益など)を併せて監視することが重要です。

金利下落を伴う実質金利の上昇です

名目金利が下落しながら実質金利が上昇しているというのは、非常に重要な状況です。これは期待インフレ率がより大きく低下していることを意味します。

実質金利 = 名目金利 – 期待インフレ率

名目金利↓ だが 期待インフレ率↓↓ → 実質金利↑

この状況が示唆すること:

  1. ディスインフレ/デフレ懸念 市場が将来の物価上昇率の鈍化、または物価下落を織り込んでいます。これは需要の弱さや景気減速を反映している可能性があります。
  2. 景気後退リスク 名目金利の低下は通常、中央銀行の利下げ期待や景気減速懸念を示します。これに期待インフレ率の急低下が加わると、景気後退シナリオが意識されます。
  3. 株式市場への影響 この組み合わせは株式にとって要注意です:
  • 経済成長の鈍化 → 企業収益の悪化懸念
  • 実質金利上昇 → バリュエーション圧力
  • デフレ懸念 → 名目売上・利益の伸び悩み

歴史的事例: 2008年金融危機後や2020年のパンデミック初期にも、このパターンが見られました。

現在の状況を判断するには:

  • 期待インフレ率の低下が一時的か構造的か
  • 経済指標(雇用、消費、製造業)のトレンド
  • 中央銀行の政策スタンス

この状況では、単純な「実質金利上昇=良い」という判断は危険で、むしろ景気減速リスクを警戒すべき局面かもしれません。

期待インフレ率の見方は?

期待インフレ率を確認する主な方法をお伝えします。

1. BEI (Break-Even Inflation Rate) 最も直接的な指標です。

  • 計算式: 名目国債利回り – 物価連動債(TIPS)利回り
  • 具体例: 10年国債利回り – 10年TIPS利回り = 10年BEI
  • 見方: 市場が今後10年間で予想する年平均インフレ率
  • ティッカー: T10YIE (FRED)、またはBloombergなど

2. 5年5年フォワードインフレ期待率 中央銀行が重視する指標です。

  • 意味: 5年後から始まる5年間のインフレ期待
  • 重要性: 短期的なショックを除外し、長期的なインフレ期待の定着度を測る
  • ティッカー: T5YIFR (FRED)

3. ミシガン大学消費者信頼感調査 家計の期待インフレ率を直接調査。

  • 1年先期待と5-10年先期待の2種類
  • 消費者心理を反映

4. 実務的な確認方法

  • FREDで確認: fred.stlouisfed.org で “inflation expectation” や “breakeven” を検索
  • Bloombergターミナル: USGGBE10 Index (10年BEI)
  • TradingView: 10年国債利回りと10年TIPS利回りをチャート比較

5. 最近のトレンドを見るポイント

  • BEIが2%を大きく下回る → デフレ懸念
  • BEIが2-2.5% → FEDの目標に近い健全な水準
  • BEIが3%超 → 高インフレ懸念

現在どのくらいの水準か確認しましょうか?検索して最新データを見てみますか?

T10YIE をみてますがこれが1番いい?

T10YIE(10年BEI)は非常に良い指標ですが、状況によって他の指標も併用すると理解が深まります。

T10YIEの長所:

  • リアルタイムで市場の期待を反映
  • 流動性が高く、信頼性がある
  • 長期的なインフレ期待のトレンドを把握しやすい
  • FREDで簡単にアクセス可能

T10YIEの注意点:

  1. 短期的なノイズ 一時的な市場のパニックや流動性ショックで大きく振れることがあります。
  2. リスクプレミアム含む 純粋な期待インフレ率だけでなく、インフレリスクプレミアムも含まれています。
  3. 10年という長期 直近の景気動向を見るには少し長すぎる場合があります。

併用すると良い指標:

  • T5YIE(5年BEI): より短期的な動きを捉える
  • T5YIFR(5年5年フォワード): 短期的ショックを除外した中長期的な期待、FEDが重視
  • T2YIE(2年BEI): 直近の景気・金融政策の影響を敏感に反映

実務的な使い方: 現在のあなたの使い方(T10YIEで実質金利の動きを理解)は基本として非常に適切です。ただし:

  • 急激な変動時は T5YIFR で「本当にインフレ期待が変化しているか」確認
  • 短期的な景気判断には T5YIE や T2YIE も参照

T10YIEをメインにしつつ、重要な局面で他の指標もチェックするのがベストプラクティスです。

実質金利は何と連動してることが多い?

実質金利と連動性が高い主な指標・資産を紹介します。

1. 米ドル(DXY)

  • 相関: 正の相関(最も強い連動性の一つ)
  • 理由: 実質金利上昇→米ドル建て資産の実質リターン向上→ドル需要増加
  • 特に対円、対新興国通貨で顕著

2. 金(ゴールド)

  • 相関: 強い逆相関
  • 理由: 金は利息を生まない資産。実質金利上昇→機会コストが増加→金の魅力低下
  • 実質金利がマイナスだと金は非常に強い

3. グロース株/ハイテク株(QQQ、ARKK等)

  • 相関: 逆相関
  • 理由: 将来キャッシュフローの割引率上昇→バリュエーション低下
  • 特に利益が遠い将来に集中する銘柄ほど影響大

4. 新興国株式・通貨

  • 相関: 逆相関
  • 理由: 米実質金利上昇→資本が米国に還流→新興国から資金流出

5. 仮想通貨(ビットコイン等)

  • 相関: 逆相関(近年顕著)
  • 理由: リスク資産かつ利息を生まない→実質金利上昇時に売られやすい

6. TLT/HYG比率(質問で触れた点)

  • 相関: 逆相関
  • 理由: リスクオン・オフの指標として機能

7. TIPS価格

  • 相関: 逆相関(定義上)
  • 理由: TIPS利回り = 実質金利なので、実質金利↑ = TIPS価格↓

実務的なモニタリング: 実質金利の方向性を予測・確認したいなら:

  • ドルインデックス(DXY) と 金価格 を同時に見る
  • 両者が同じ方向のシグナルを出していれば、実質金利のトレンドが明確

実質金利はリスク資産全体のレジーム(環境) を決定する重要な変数なので、マクロ投資では最重要指標の一つです。

実質金利も金利と同じく4パターン動きがあるので表にして

実質金利の4つの動きパターンを表にまとめます。

実質金利の4パターン分析表

パターン名目金利期待インフレ率実質金利経済状況の示唆株式への影響その他の資産への影響①上昇局面A
(健全な成長)↑↑↑↑力強い経済成長、金融引き締め開始中立~やや負
バリュー株◎、グロース株△ドル↑、金↓、新興国↓、HYG相対優位②上昇局面B
(ディスインフレ)↓↓↓↑景気減速、デフレ懸念、需要低迷
景気後退リスクドル↑、金↓、TLT相対優位、リスク回避③下落局面A
(リフレーション)↑↑↑↓景気回復、インフレ期待高まる
シクリカル株◎、バリュー株◎ドル↓、金↑、コモディティ↑、HYG↑④下落局面B
(金融緩和)↓↓↓↓金融緩和、景気刺激策、成長鈍化
グロース株◎、全般的に上昇ドル↓、金↑、TIPS↑、リスクオン

各パターンの詳細

①健全な成長型上昇(名目金利↑↑ > 期待インフレ↑)

  • 中央銀行の段階的引き締め
  • 企業収益改善を伴う
  • セクターローテーション発生

②ディスインフレ型上昇(期待インフレ↓↓ > 名目金利↓)

  • 最も警戒すべきパターン
  • 景気後退の前兆の可能性
  • 「悪い実質金利上昇」

③リフレーション型下落(期待インフレ↑↑ > 名目金利↑)

  • 不況からの回復局面
  • 最も株式に好ましい環境
  • リスク資産全般が上昇

④金融緩和型下落(名目金利↓↓ > 期待インフレ↓)

  • QEや利下げ局面
  • 流動性相場
  • バリュエーション拡大

現在の状況(名目金利↓、実質金利↑)= パターン② に該当するので、慎重な姿勢が必要かもしれません。

現在短期的には②で、これにブルスティープだどどう?

パターン②(ディスインフレ型実質金利上昇)+ ブルスティープニングの組み合わせは、非常に特徴的なシグナルです。

状況の解釈

ブルスティープニング = 金利全体が低下しながらイールドカーブが急勾配化

  • 短期金利↓↓(FEDの利下げ期待または実施)
  • 長期金利↓(ただし短期ほどではない)

この組み合わせが示唆すること:

要素シグナル意味実質金利上昇(②型)期待インフレ率の急低下需要の弱さ、ディスインフレ懸念ブルスティープ短期金利の大幅低下景気減速に対するFEDの緩和期待イールドカーブ急勾配化将来の景気回復期待短期的には弱いが中長期では回復予想

株式市場への影響

短期的(現在):

  • やや慎重なスタンスが適切
  • 景気減速リスクが意識されている
  • ディフェンシブ・高配当株が相対的に強い可能性

中期的(3-12ヶ月):

  • ブルスティープは通常「景気サイクルの底打ち前後」で発生
  • FEDの利下げ → 経済の軟着陸成功 → 景気回復というシナリオなら株式にポジティブ
  • ただし: リセッション入りなら本格的な調整も

歴史的パターン

ブルスティープ + 実質金利上昇の組み合わせ:

  • 2001-2002年: ITバブル崩壊後、FED利下げ局面
  • 2007-2008年: 金融危機前後
  • 2019年後半: 予防的利下げ→2020年ショック前

→ 景気サイクルの転換点で出現しやすい

投資戦略の考え方

現在のポジショニング:

  1. 守り重視: キャッシュポジション確保、ディフェンシブ株
  2. セクター選別:
    • ◎ 生活必需品、ヘルスケア、公益事業
    • ○ 金融株(イールドカーブ急勾配化で利ざや改善)
    • △ シクリカル株、ハイテクグロース株

待ち構える戦略:

  • 景気底打ちの兆候(雇用統計改善、ISM指数反転など)が出れば、リスクテイク増加
  • ブルスティープは「買いの準備段階」と捉える

注目すべき指標

この環境では以下を重点的にモニタリング:

  • 雇用統計: 労働市場の悪化速度
  • ISM製造業指数: 50を割り込むとリセッション懸念
  • 企業収益: ガイダンスの下方修正トレンド
  • クレジットスプレッド: HYGスプレッド拡大は警戒信号

結論: 現在は「慎重ながらも、軟着陸シナリオに備える」という微妙な局面です。完全にリスクオフにするのではなく、柔軟性を保つことが重要ですね。

なぜそう言えるのは詳しく教えて

良い質問です。私の分析の根拠を詳しく説明します。

1. ブルスティープニングの経済的メカニズム

なぜ短期金利が長期金利より大きく下がるのか:

短期金利の決定要因:
- 中央銀行の政策金利(直接的なコントロール)
- FF金利先物市場の利下げ期待

長期金利の決定要因:
- 短期金利の将来パス予想の平均
- 期間プレミアム
- 経済成長期待
- インフレ期待

ブルスティープが起きる条件:

  • 市場が「FEDは今すぐ利下げする必要がある」と判断(短期金利↓↓)
  • しかし「将来的には経済は回復する」と期待(長期金利は相対的に下がらない)
  • この組み合わせ = 短期的な景気減速 + 中長期的な回復期待

2. なぜ「景気サイクルの転換点」なのか

イールドカーブの3つの局面:

局面カーブ形状金利水準経済状況景気拡大後期フラット化/逆イールド上昇過熱、FED引き締め景気減速/底打ち前後ブルスティープ低下FED緩和開始、景気懸念景気回復期スティープ(ベアスティープへ)上昇開始成長加速

歴史的証拠:

2001-2002年(ITバブル崩壊):

  • 2001年1月からFED利下げ開始(6.5% → 1.75%)
  • ブルスティープニング発生
  • 2年国債利回り: 5% → 2%(急低下)
  • 10年国債利回り: 5% → 4%(緩やかに低下)
  • → カーブスティープ化
  • S&P500は2002年10月に底打ち、その後回復

2007-2008年(金融危機):

  • 2007年9月からFED利下げ開始
  • ブルスティープニング発生
  • しかし今回はリセッション入り
  • → ブルスティープだけでは軟着陸保証されない

2019年(予防的利下げ):

  • 2019年7-10月に3回利下げ
  • ブルスティープニング
  • 2019年末は株価回復
  • → しかし2020年コロナショック

3. 実質金利上昇(②型)が加わる意味

通常のブルスティープニング:

  • 名目金利↓、期待インフレ率も↓ → 実質金利は様々

②型(ディスインフレ型)が加わると:

名目金利↓ < 期待インフレ率↓↓
→ 実質金利↑

これが示すのは:

  • 単なる金融緩和期待ではない
  • 需要の本格的な弱さ(期待インフレ率の急低下)
  • デフレリスクの萌芽

具体的な経路:

  1. 消費者・企業の需要が弱い
  2. 物価上昇圧力が急速に低下
  3. 期待インフレ率が大きく低下
  4. FEDが慌てて利下げ(名目金利も下がるが、期待インフレほどではない)
  5. 結果: 実質金利が上昇してしまう

4. なぜ「慎重ながらも準備」なのか

悲観シナリオ(リセッション):

  • 実質金利上昇+ブルスティープ → 需要崩壊
  • FEDの利下げが追いつかない
  • 企業収益悪化 → 株価調整
  • 歴史的には2008年型

楽観シナリオ(軟着陸):

  • FEDの先制的利下げが効く
  • 期待インフレ率は安定化
  • 経済は減速するが底堅い
  • 数ヶ月後に景気回復 → 株価上昇
  • 歴史的には2019年型(コロナ除く)

現時点では判別不可能だから:

  • 完全にリスクオフ(現金100%)→ 軟着陸なら機会損失
  • 完全にリスクオン(株式100%)→ リセッションなら大損失
  • 柔軟性を保つ = 中間的ポジション + 警戒指標のモニタリング

5. 私の判断の限界

正直に言うと:

  • 過去のパターンから「こういう局面」と言えるだけ
  • 「今回どうなるか」は誰にもわからない
  • 経済は確率論的で、100%の予測は不可能

だから強調したのは:

  1. 歴史的に転換点で出現 → 今は重要な局面
  2. 両方のシナリオあり → 慎重に見極めが必要
  3. モニタリング指標 → データで判断すべき

もし私の説明に誤りや論理の飛躍があれば、ぜひ指摘してください。マクロ経済の因果関係は複雑で、絶対的な正解はないので、対話を通じて理解を深められれば幸いです。

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