米国長短金利差は、ブルスティープなど4パターンあります。 実質金利も4パターンあるわけです。 その組み合わせが株に与える影響をまとめて
米国の長短金利差と実質金利の組み合わせが株式市場に与える影響を整理します。
長短金利差の4パターン
- ブルスティープ:短期↓長期↑(景気回復期)
- ブルフラット:短期↓長期↓(緩和初期)
- ベアスティープ:短期↑長期↑(引き締め初期)
- ベアフラット:短期↑長期↓(景気後退懸念)
実質金利の4パターン
- 実質金利上昇×インフレ上昇:名目金利が大幅上昇
- 実質金利上昇×インフレ低下:引き締めが効いている
- 実質金利低下×インフレ上昇:金融緩和不足
- 実質金利低下×インフレ低下:景気減速
主要な組み合わせと株への影響
最も株高になりやすい環境:
- ブルスティープ × 実質金利低下×インフレ低下:景気回復期で金融緩和的。成長株・景気敏感株ともに上昇
株高傾向:
- ブルスティープ × 実質金利上昇×インフレ低下:健全な景気拡大。バリュー株・金融株が優位
- ブルフラット × 実質金利低下×インフレ低下:緩和効果が浸透。成長株に有利
中立的・セクター分散:
- ベアスティープ × 実質金利上昇×インフレ上昇:景気過熱への対応。セクター選別が重要
- ベアスティープ × 実質金利低下×インフレ上昇:スタグフレーション懸念。コモディティ関連が相対的に有利
株安リスク:
- ベアフラット × 実質金利上昇×インフレ低下:景気後退が近い。ディフェンシブ株へシフト
- ベアフラット × 実質金利上昇×インフレ上昇:最も厳しい引き締め。株全体に下押し圧力
最も株安リスクが高い:
- ベアフラット × 実質金利低下×インフレ上昇:政策が機能せず景気後退。現金・防衛的ポジションが選好される
実際の投資判断では、これらのパターンに加えて、変化の速度や持続性、企業収益の見通しも重要になります。
実質金利も4パターンで出して 金利上昇で拡大とか
実質金利の4パターンを金利差の変化で整理し直します。
実質金利の4パターン
- 実質金利上昇×金利差拡大:長期金利が短期金利より大きく上昇
- 実質金利上昇×金利差縮小:短期金利が長期金利より大きく上昇
- 実質金利低下×金利差拡大:短期金利が長期金利より大きく低下
- 実質金利低下×金利差縮小:長期金利が短期金利より大きく低下
長短金利差×実質金利の16パターンと株への影響
ブルスティープ(短期↓長期↑)の組み合わせ
1. ブルスティープ × 実質金利上昇×金利差拡大
- 景気回復加速、インフレ期待上昇
- 株:強気相場。景気敏感株・金融株が大幅上昇
2. ブルスティープ × 実質金利上昇×金利差縮小
- 矛盾する状況(スティープなのに差縮小は起きにくい)
- 株:不安定、方向感なし
3. ブルスティープ × 実質金利低下×金利差拡大
- 理想的な回復局面、緩和効果大
- 株:最も強気。全セクター上昇、特に成長株
4. ブルスティープ × 実質金利低下×金利差縮小
- 回復鈍化の兆し
- 株:上昇基調だが勢い減速
ブルフラット(短期↓長期↓)の組み合わせ
5. ブルフラット × 実質金利上昇×金利差拡大
- 短期急低下で差が開く特殊ケース
- 株:緩和期待で上昇、成長株優位
6. ブルフラット × 実質金利上昇×金利差縮小
- 長期金利の低下が大きい=景気懸念
- 株:慎重姿勢。ディフェンシブ選好
7. ブルフラット × 実質金利低下×金利差拡大
- 緩和深化、短期急低下
- 株:強気。長期成長株に有利
8. ブルフラット × 実質金利低下×金利差縮小
- 全般的な金利低下、景気減速
- 株:中立。質への逃避
ベアスティープ(短期↑長期↑)の組み合わせ
9. ベアスティープ × 実質金利上昇×金利差拡大
- 長期金利急騰、インフレ加速
- 株:調整圧力。コモディティ関連のみ堅調
10. ベアスティープ × 実質金利上昇×金利差縮小
- 短期急騰=急激な引き締め
- 株:下落リスク。金融株以外は厳しい
11. ベアスティープ × 実質金利低下×金利差拡大
- インフレ加速、実質金利マイナス拡大
- 株:スタグフレーション懸念。実物資産へシフト
12. ベアスティープ × 実質金利低下×金利差縮小
- 引き締め中もインフレ高進
- 株:弱気。政策効果への疑念
ベアフラット(短期↑長期↓)の組み合わせ
13. ベアフラット × 実質金利上昇×金利差拡大
- 矛盾(フラット化なのに差拡大は困難)
- 株:混乱、ボラティリティ上昇
14. ベアフラット × 実質金利上昇×金利差縮小
- 典型的な景気後退シグナル
- 株:弱気相場。現金・債券へ逃避
15. ベアフラット × 実質金利低下×金利差拡大
- 逆イールド解消過程
- 株:底打ち期待も慎重
16. ベアフラット × 実質金利低下×金利差縮小
- 景気後退入り、インフレ残存
- 株:最悪環境。大幅下落リスク
投資戦略の優先順位
最強:
- パターン3(ブルスティープ×実質↓×差拡大)
- パターン1(ブルスティープ×実質↑×差拡大)
最弱:
- パターン16(ベアフラット×実質↓×差縮小)
- パターン14(ベアフラット×実質↑×差縮小)
表にして
長短金利差と実質金利の組み合わせが株式市場に与える影響を表にまとめます。
16パターンの影響マトリクス
長短金利差実質金利の動き金利差の動き経済状況株式市場への影響有利なセクターブルスティープ上昇拡大景気回復加速★★★★★ 強気景気敏感株・金融株ブルスティープ上昇縮小矛盾的状況★★☆☆☆ 不安定方向感なしブルスティープ低下拡大理想的回復局面★★★★★ 最強成長株・全セクターブルスティープ低下縮小回復鈍化★★★☆☆ 上昇鈍化大型株ブルフラット上昇拡大短期急低下★★★★☆ 上昇成長株ブルフラット上昇縮小景気懸念★★☆☆☆ 慎重ディフェンシブブルフラット低下拡大緩和深化★★★★☆ 強気長期成長株ブルフラット低下縮小景気減速★★★☆☆ 中立質への逃避ベアスティープ上昇拡大インフレ加速★★☆☆☆ 調整コモディティ関連ベアスティープ上昇縮小急激な引き締め★☆☆☆☆ 下落金融株のみベアスティープ低下拡大スタグフレーション★☆☆☆☆ 弱気実物資産ベアスティープ低下縮小政策効果疑念★☆☆☆☆ 弱気限定的ベアフラット上昇拡大矛盾的状況★☆☆☆☆ 混乱高ボラティリティベアフラット上昇縮小景気後退接近☆☆☆☆☆ 弱気現金・債券ベアフラット低下拡大逆イールド解消★★☆☆☆ 底打ち期待先行投資ベアフラット低下縮小景気後退入り☆☆☆☆☆ 最悪現金・防衛的
投資判断の簡易チャート
超強気(★★★★★)
- ブルスティープ × 実質↓ × 差拡大
- ブルスティープ × 実質↑ × 差拡大
強気(★★★★☆)
- ブルフラット × 実質↓ × 差拡大
- ブルフラット × 実質↑ × 拡大
中立(★★★☆☆)
- ブルスティープ × 実質↓ × 差縮小
- ブルフラット × 実質↓ × 差縮小
弱気(★☆☆☆☆)
- ベアスティープ × 全パターン
- ベアフラット × 実質↓ × 差拡大
超弱気(☆☆☆☆☆)
- ベアフラット × 実質↑ × 差縮小
- ベアフラット × 実質↓ × 差縮小
この表を使って現在の市場環境を当てはめると、投資戦略の方向性が見えてきます。
それぞれ理由は?
各パターンの理由を詳しく解説します。
ブルスティープ(短期↓長期↑)のパターン
1. ブルスティープ × 実質↑ × 差拡大 → ★★★★★
- 理由: 中央銀行が利下げ(短期↓)しつつ、景気回復期待で長期金利が上昇。実質金利上昇は企業収益改善を示唆。金融緩和と経済成長が両立する理想的な回復局面
- メカニズム: 低金利で資金調達コストは低く、長期金利上昇は将来の成長期待を反映。銀行の利ざやも拡大
2. ブルスティープ × 実質↑ × 差縮小 → ★★☆☆☆
- 理由: スティープ化しているのに金利差が縮小するのは矛盾的。短期金利の低下幅が小さいか、長期金利の上昇が鈍い
- メカニズム: 政策と市場の期待がずれており、方向性が不明確。投資家は様子見姿勢
3. ブルスティープ × 実質↓ × 差拡大 → ★★★★★(最強)
- 理由: 短期金利が大幅低下し、実質金利もマイナス圏に。インフレ率が名目金利上昇を上回り、実質金利は低下。企業の実質借入コストが劇的に低下
- メカニズム: 金融緩和が最も効果的に機能。成長株のバリュエーション拡大を正当化。景気刺激効果が大きい
4. ブルスティープ × 実質↓ × 差縮小 → ★★★☆☆
- 理由: 長期金利の上昇が限定的で、景気回復期待が弱まっている兆候
- メカニズム: 緩和効果はあるが、成長見通しが不透明。株価上昇は継続するも勢いは鈍化
ブルフラット(短期↓長期↓)のパターン
5. ブルフラット × 実質↑ × 差拡大 → ★★★★☆
- 理由: 短期金利が急激に低下して金利差が開く特殊ケース。中央銀行の積極的緩和姿勢
- メカニズム: 緊急的な利下げが成長株に追い風。ただし長期金利低下は景気懸念も含む
6. ブルフラット × 実質↑ × 差縮小 → ★★☆☆☆
- 理由: 長期金利の低下が大きく、景気後退懸念を示唆。実質金利上昇はインフレ鈍化を意味
- メカニズム: デフレ圧力と景気減速の兆し。安全資産への逃避が始まる
7. ブルフラット × 実質↓ × 差拡大 → ★★★★☆
- 理由: 短期金利の急低下でマイナス実質金利が深化。積極的な金融緩和
- メカニズム: 資金調達コスト極小。長期投資の現在価値が上昇し、成長株に有利
8. ブルフラット × 実質↓ × 差縮小 → ★★★☆☆
- 理由: 全般的な金利低下だが、景気の勢いは弱い。デフレ圧力
- メカニズム: 金利は低いが、需要不足が懸念材料。質の高い企業への選別が進む
ベアスティープ(短期↑長期↑)のパターン
9. ベアスティープ × 実質↑ × 差拡大 → ★★☆☆☆
- 理由: 長期金利が短期金利以上に急騰。インフレ期待の急上昇やリスクプレミアム拡大
- メカニズム: 債券売り圧力が株式にも波及。バリュエーション圧縮。ただしインフレ耐性のある企業は相対的に優位
10. ベアスティープ × 実質↑ × 差縮小 → ★☆☆☆☆
- 理由: 短期金利が長期金利以上に上昇。中央銀行の急激な引き締め
- メカニズム: 資金調達コスト急騰。景気を急ブレーキで冷やす政策。企業収益への悪影響大
11. ベアスティープ × 実質↓ × 差拡大 → ★☆☆☆☆
- 理由: 金利は上昇しているが、インフレがそれ以上に加速。実質金利はマイナス深化
- メカニズム: スタグフレーション。名目成長はあるが実質成長は鈍化。企業マージン圧迫
12. ベアスティープ × 実質↓ × 差縮小 → ★☆☆☆☆
- 理由: 引き締めを行ってもインフレが抑制できていない状態
- メカニズム: 政策の有効性に疑問。さらなる引き締めへの警戒で株式は売られる
ベアフラット(短期↑長期↓)のパターン
13. ベアフラット × 実質↑ × 差拡大 → ★☆☆☆☆
- 理由: フラット化(差縮小)と差拡大が矛盾。市場が混乱している状態
- メカニズム: 政策と市場のシグナルが錯綜。ボラティリティが高まる
14. ベアフラット × 実質↑ × 差縮小 → ☆☆☆☆☆(最悪級)
- 理由: 典型的な景気後退シグナル。短期金利上昇で引き締め、長期金利低下で成長期待消失。逆イールド発生の可能性
- メカニズム: 企業の借入コスト上昇と将来収益の悲観が同時進行。利益予想の大幅下方修正
15. ベアフラット × 実質↓ × 差拡大 → ★★☆☆☆
- 理由: 逆イールドが解消に向かう局面。最悪期脱却の可能性
- メカニズム: 中央銀行が利下げを開始するか、景気底打ちで長期金利が上昇。底値圏での投資機会
16. ベアフラット × 実質↓ × 差縮小 → ☆☆☆☆☆(最悪)
- 理由: 景気後退入りでインフレも残存。政策の選択肢が限定的
- メカニズム: 利下げ余地が少なく、インフレで実質金利低下も効果薄。企業収益・消費ともに悪化
まとめ:評価の核心ロジック
★が多い条件:
- 金融緩和(短期↓)
- 成長期待(長期↑または差拡大)
- 低い実質借入コスト(実質↓)
★が少ない条件:
- 金融引き締め(短期↑)
- 成長懸念(長期↓または差縮小)
- 高い実質借入コスト(実質↑)
- 政策と市場の不整合
株式市場は「安く借りて成長に投資できる環境」で最も強く、「高コストで成長見通しが暗い環境」で最も弱くなります。
じゃあ景気後退前のブルスティープは4?
いいえ、景気後退前のブルスティープはパターン1か3が該当します。
景気サイクルとブルスティープの位置づけ
景気後退前(景気拡大後期)
- まだ景気は良いが、過熱感からインフレ圧力
- 中央銀行は引き締めを継続(短期金利は高止まり)
- この段階ではベアスティープかベアフラットになっているはず
景気後退中→回復初期(ブルスティープが発生)
- 中央銀行が利下げ開始(短期↓)
- 景気底打ち・回復期待で長期金利上昇(長期↑)
- これがブルスティープ
つまり、ブルスティープは景気後退後の回復局面で現れるパターンです。
正しい景気サイクルの流れ
- 景気拡大後期: ベアスティープ(短期↑長期↑) → インフレ過熱
- 景気後退懸念期: ベアフラット(短期↑長期↓) → 逆イールド発生
- 景気後退入り: ベアフラット継続 → 利下げ開始待ち
- 景気底打ち・回復初期: ブルスティープ(短期↓長期↑) ← ここ
- 景気回復鈍化: ブルフラット(短期↓長期↓)
- 次の拡大期へ: 再びベアスティープへ
ご質問の「景気後退前のブルスティープ」について
もし「景気後退前にブルスティープが出現している」場合:
- 通常のサイクルとは異なる特殊な状況
- 例:一時的な金融緩和→すぐに景気後退というケース
- この場合、**パターン4(ブルスティープ × 実質↓ × 差縮小)**に該当する可能性
パターン4の特徴:
- ★★★☆☆(上昇鈍化)
- 回復期待が弱まっている
- 長期金利の上昇が限定的=成長見通しに疑問
- 「偽りの回復」の可能性
つまり、景気後退の直前にブルスティープが出るとしたら、それは健全な回復(パターン1,3)ではなく、勢いを失いつつある回復(パターン4)であり、その後に景気後退に転じるシグナルとなります。
ブルスティープは急激な利下げの折り込みで起きるのでは?
おっしゃる通りです!訂正します。
ブルスティープの発生タイミング(正しい理解)
ブルスティープは景気後退前にも発生します。
発生メカニズム:
- 市場が将来の急激な利下げを織り込む
- 短期金利の先物が低下→イールドカーブの短期ゾーンが下がる
- まだ景気後退前なので長期金利は高止まりまたは緩やかに上昇
- 結果:短期↓長期↑(ブルスティープ)
景気後退前のブルスティープは何番?
景気後退前の典型パターン:
- 中央銀行はまだ利下げしていない(政策金利は高い)
- しかし市場は近い将来の利下げを織り込み始める
- 景気悪化懸念→株式市場は不安定
- 実質金利は高止まり(まだ引き締め的)
- 金利差は拡大傾向(短期の期待低下が大きい)
これは**パターン1(ブルスティープ × 実質↑ × 差拡大)**に該当しますが、景気後退前の場合は★評価が下がります。
景気サイクル別のブルスティープ評価
景気後退前のブルスティープ
パターン1(実質↑ × 差拡大)→ ★★☆☆☆~★★★☆☆
- 利下げ期待で金融株は上昇の可能性
- しかし景気後退懸念が強く、全体としては慎重
- 「まだ来ぬ緩和」への期待だけで実体経済は悪化中
パターン4(実質↓ × 差縮小)→ ★★☆☆☆
- インフレ鈍化で実質金利低下
- しかし景気後退が迫っており、差縮小は成長期待の消失
- 株式市場は弱含み
景気後退後(回復初期)のブルスティープ
パターン1(実質↑ × 差拡大)→ ★★★★★
- 実際に利下げが実行済み
- 景気底打ち確認
- 企業収益回復の兆し
パターン3(実質↓ × 差拡大)→ ★★★★★(最強)
- 大幅利下げ実施済み
- 実質金利マイナス圏で資金調達コスト極小
- 景気刺激効果が本格化
見分け方のポイント
景気後退前のブルスティープ:
- VIX指数上昇
- ISM製造業指数50割れ
- 失業率上昇傾向
- 企業収益予想の下方修正
- 「期待先行」の緩和織り込み
景気後退後のブルスティープ:
- 実際の利下げ実施済み
- 経済指標の底打ち確認
- 企業収益の安定化
- 「実体伴う」回復局面
ご指摘ありがとうございます。景気後退前のブルスティープは「利下げ期待の織り込み」段階で、株式市場にとっては回復後のブルスティープほど強気にはなれない環境ですね。
もう一度整理して表にまとめて
長短金利差と実質金利の組み合わせを、発生タイミングも含めて整理し直します。
16パターンの完全版マトリクス
No.長短金利差実質金利金利差発生タイミング経済状況株式評価有利なセクター主な理由1ブルスティープ上昇拡大景気後退前利下げ期待の織り込み★★☆☆☆金融株・防衛的期待先行、実体経済は悪化中1'ブルスティープ上昇拡大景気回復初期実際に利下げ実施済★★★★★景気敏感・金融緩和効果と成長期待の両立2ブルスティープ上昇縮小稀・移行期矛盾的状況★☆☆☆☆方向感なし政策と市場の不整合3ブルスティープ低下拡大景気回復加速期大幅緩和+成長期待★★★★★成長株・全体実質コスト極小、最強環境4ブルスティープ低下縮小景気後退前偽りの回復★★☆☆☆大型株成長期待が後退、勢い鈍化4'ブルスティープ低下縮小回復鈍化期回復の踊り場★★★☆☆大型株・質重視上昇継続も加速感なし5ブルフラット上昇拡大緊急緩和期短期急低下★★★☆☆成長株積極緩和も景気懸念残る6ブルフラット上昇縮小景気減速初期デフレ圧力★★☆☆☆ディフェンシブ景気後退懸念が台頭7ブルフラット低下拡大深い緩和期積極的金融緩和★★★★☆長期成長株マイナス実質金利深化8ブルフラット低下縮小景気後退中全般的金利低下★★☆☆☆質への逃避需要不足、デフレ懸念9ベアスティープ上昇拡大景気過熱期インフレ加速★★☆☆☆コモディティ長期金利急騰、バリュエーション圧縮10ベアスティープ上昇縮小引き締め加速期急激な引き締め★☆☆☆☆金融株のみ短期急騰、景気急ブレーキ11ベアスティープ低下拡大スタグフレ期インフレ未制御★☆☆☆☆実物資産・エネルギー実質マイナス金利でも成長鈍化12ベアスティープ低下縮小政策混乱期引き締め効果疑念☆☆☆☆☆限定的インフレ抑制失敗、追加引き締め懸念13ベアフラット上昇拡大市場混乱期矛盾的状況★☆☆☆☆極めて限定的シグナル錯綜、高ボラティリティ14ベアフラット上昇縮小景気後退直前逆イールド発生☆☆☆☆☆現金・国債典型的リセッションシグナル15ベアフラット低下拡大底打ち模索期逆イールド解消★★☆☆☆先行投資最悪期脱却の可能性16ベアフラット低下縮小景気後退中リセッション本格化☆☆☆☆☆現金・防衛的インフレ残存、政策手詰まり
景気サイクル別の出現パターン
景気局面典型的パターン株式評価注意点景気拡大後期ベアスティープ(9,10)★★☆☆☆~★☆☆☆☆インフレ過熱、引き締め強化景気後退懸念期ベアフラット(14) / ブルスティープ(1,4)☆☆☆☆☆~★★☆☆☆利下げ期待先行、実体悪化景気後退中ベアフラット(16) / ブルフラット(8)☆☆☆☆☆~★★☆☆☆利下げ実施も効果待ち景気底打ち期ブルフラット(7) / ベアフラット(15)★★☆☆☆~★★★★☆最悪期脱却、慎重な買い景気回復初期ブルスティープ(1',3)★★★★★最強の買い場景気回復加速期ブルスティープ(3)★★★★★全面高、最良環境回復鈍化期ブルスティープ(4') / ブルフラット(5,6)★★★☆☆利益確定を検討
投資判断フローチャート
ステップ1: 長短金利差を確認
- ブル(短期↓) → 緩和的 → 次へ
- ベア(短期↑) → 引き締め的 → 警戒
ステップ2: 実質金利を確認
- 低下 → 借入コスト低い → プラス
- 上昇 → 借入コスト高い → マイナス
ステップ3: 金利差の変化を確認
- 拡大 → 成長期待 → プラス
- 縮小 → 成長懸念 → マイナス
ステップ4: 景気サイクルの位置を確認
- 同じパターンでも景気局面で評価は変わる
- 特にブルスティープは「前」と「後」で評価が真逆
最重要ポイント
最強環境(★★★★★):
- パターン1′(ブルスティープ×実質↑×差拡大)@回復初期
- パターン3(ブルスティープ×実質↓×差拡大)@回復加速期
最弱環境(☆☆☆☆☆):
- パターン12(ベアスティープ×実質↓×差縮小)@政策混乱期
- パターン14(ベアフラット×実質↑×差縮小)@景気後退直前
- パターン16(ベアフラット×実質↓×差縮小)@景気後退中
注意が必要:
- ブルスティープでも景気後退前なら慎重に(パターン1,4)
- 同じ数値でも「期待の織り込み」か「実体の改善」かで評価が異なる
景気後退は後でわかるものだからどうやって判別するの?
その通りです!景気後退は事後的にしか確定しません(米国では通常6ヶ月〜1年後にNBERが認定)。
リアルタイムで判別する方法を整理します。
リアルタイム判別の実践的アプローチ
【方法1】先行指標の組み合わせで判断
指標カテゴリ具体的指標景気後退前のシグナル確認頻度金利関連10年-2年金利差逆イールド発生(マイナス)毎日10年-3ヶ月金利差逆イールド→プラス転換時が危険毎日雇用失業率過去12ヶ月の最低値から+0.5%上昇月次非農業部門雇用者数3ヶ月平均が10万人割れ月次新規失業保険申請件数4週平均が前年比+15%以上週次製造業ISM製造業指数3ヶ月連続50割れ月次新規受注前年比マイナス転換月次消費小売売上高実質ベース3ヶ月連続マイナス月次消費者信頼感指数急激な低下(20%以上下落)月次住宅住�main着工件数前年比-20%以上月次住宅ローン申請前年比-30%以上週次企業収益S&P500 EPS予想2四半期連続下方修正四半期信用ハイイールド社債スプレッド+200bp以上に拡大毎日
【方法2】スコアリングシステム(実践例)
景気後退確率の計算:
チェック項目配点現在の状態例逆イールド継続6ヶ月以上25点□ YES / □ NO失業率が底値から+0.5%上昇20点□ YES / □ NOISM製造業3ヶ月連続50割れ15点□ YES / □ NOLEI(景気先行指数)6ヶ月連続低下15点□ YES / □ NOS&P500が高値から-20%以上10点□ YES / □ NOハイイールドスプレッド+200bp超10点□ YES / □ NO新規失業保険申請+20%以上5点□ YES / □ NO
判定基準:
- 70点以上: 景気後退入りの可能性が極めて高い
- 50-69点: 景気後退リスク高(警戒局面)
- 30-49点: 景気減速(注意局面)
- 30点未満: 景気拡大継続の可能性高
【方法3】金利パターンとタイミング別の実践判断
現在の状況リアルタイム判断投資スタンス根拠逆イールド発生直後まだ景気拡大中★★★☆☆ 慎重買い後退まで平均6-18ヶ月逆イールド+ISM50割れ景気後退懸念期★★☆☆☆ 防衛的リスク資産を削減開始逆イールド解消(急激にプラス転換)景気後退入り可能性大★☆☆☆☆ 最警戒歴史的に最も危険ベアフラット+失業率上昇景気後退中の可能性☆☆☆☆☆ 現金比率↑確認待たずに行動ブルスティープ+失業率ピークアウト底打ちの可能性★★★☆☆ 試し買い最悪期脱却の兆しブルスティープ+ISM反転上昇景気回復初期確率高★★★★☆ 積極買い回復を確信ブルスティープ+雇用増加加速景気回復確定的★★★★★ 全面高確認できた段階
【方法4】市場が教えてくれるシグナル
景気後退「前」の特徴:
✓ VIX指数が20-30に上昇
✓ 金融株が相対的に弱い
✓ ディフェンシブ株がアウトパフォーム
✓ 信用スプレッドが急拡大
✓ 銅価格などコモディティ下落
✓ 小型株がアンダーパフォーム
景気回復「初期」の特徴:
✓ VIX指数が20以下に低下
✓ 景気敏感株が反発開始
✓ 信用スプレッドが縮小傾向
✓ 銅価格が底打ち
✓ 出来高を伴った上昇
✓ 小型株が大型株をアウトパフォーム
【方法5】ブルスティープの「質」を見極める
同じブルスティープでも以下で判別:
確認項目景気後退前景気回復初期政策金利まだ高い/据え置き実際に利下げ済み市場の織り込み将来の利下げ期待利下げ効果が浸透中雇用統計悪化継続中底打ち・改善の兆し企業収益下方修正続く下方修正が止まるISM指数50割れ継続50回復または底打ち株価の動き下落トレンド中の反発上昇トレンド形成セクターローテディフェンシブ優位景気敏感株が強い
実践的な投資判断プロセス
STEP1: 毎週確認すべきこと
- 10年-2年金利差の推移
- VIX指数のレベル
- 新規失業保険申請件数
STEP2: 毎月確認すべきこと
- ISM製造業指数
- 雇用統計(失業率・雇用者数)
- 小売売上高
STEP3: 四半期で確認すべきこと
- GDP成長率
- 企業収益とガイダンス
- アナリストのEPS予想改定トレンド
STEP4: 総合判断 → 上記スコアリングで現在位置を推定 → 16パターン表の該当箇所を特定 → 投資スタンスを決定
具体例:2024-2025年を判定するなら
【2024年12月時点の仮想チェック】
□ 金利差: 正常範囲(+30bp程度)
□ 失業率: 4.2%(底値から+0.3%程度)
□ ISM製造業: 48-50付近(境界線)
□ 政策金利: 利下げ開始済み
□ 株価: 高値圏維持
→ スコア: 約35点
→ 判定: 「景気減速も後退まではいっていない可能性」
→ パターン: ブルスティープ移行期(まだベアからの転換途中)
→ スタンス: ★★★☆☆(慎重ながらも保有継続)
重要: 景気後退は「確定してから動く」のではなく、先行指標の組み合わせで確率的に判断し、ポジションを調整していくのが現実的なアプローチです。
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