日本のバブルはなぜ起きた?ITバブルやリーマンショックと同じ理由?
日本のバブルは全然違います! ITバブルやリーマンとは根本的に原因が異なります。
【日本のバブル(1980年代後半)】
原因は「金融緩和+土地神話+規制」
1. プラザ合意(1985年)が起点
プラザ合意
↓
円高誘導(240円→120円台へ)
↓
輸出企業が苦しむ
↓
日銀が超金融緩和(円高不況対策)
↓
お金が余りまくる
政策金利:
- 1985年:5%
- 1987年:2.5%(史上最低)
- お金を借りやすい状態が続く
2. 土地神話+財テク
「土地は絶対に値下がりしない」という信仰:
企業の思考:
「土地を買う」
↓
「土地を担保に銀行から借りる」
↓
「そのお金でまた土地を買う」
↓
「土地を担保にまた借りる」
↓
無限ループ!
実例:
- 1989年、皇居の土地価格>カリフォルニア州全体
- 東京23区の地価>アメリカ全土
- 住友銀行がゴッホの絵を125億円で購入
- 企業が本業そっちのけで不動産投資(財テク)
3. 銀行の過剰融資
総量規制前の状況:
銀行:「土地買いませんか?」
企業:「いいですね」
銀行:「土地を担保にもっと貸しますよ」
企業:「じゃあもっと買います」
↓
土地価格が上がる
↓
担保価値が上がる
↓
もっと貸せる
↓
無限ループ!
銀行が不動産融資を競争:
- ノンバンクへの融資急増
- 審査が甘い
- 貸せば貸すほど儲かるという錯覚
4. 株式の持ち合い+企業の株式投資
企業が株を買う
↓
株価が上がる
↓
含み益が出る
↓
財務が良く見える
↓
もっと借りられる
↓
もっと株・土地を買う
実例:
- 日経平均:1989年12月29日 38,915円(史上最高値)
- 銀行・証券会社が率先して煽る
5. 構造的な問題
規制による歪み:
- 農地の宅地転用規制→土地供給不足
- 都市計画の遅れ→都心への集中
- 相続税対策→土地を手放さない
企業会計の歪み:
- 含み益を資産計上できた
- 実態より良く見える
【崩壊のきっかけ】
1989-1990年:政策転換
1. 総量規制(1990年3月)
大蔵省:「不動産向け融資を制限する!」
↓
銀行が貸さなくなる
↓
土地が買えない
↓
土地価格が下落開始
2. 金融引き締め
日銀が利上げ開始
1989年:2.5% → 1990年:6%
↓
借入コスト急増
↓
企業が土地を買えなくなる
3. 株価暴落
1989年12月:38,915円(最高値)
↓
1990年10月:20,000円割れ
↓
わずか10ヶ月で半値!
【他のバブルとの比較】
ITバブル(2000年前後)
原因:
インターネットの普及
↓
「.com企業は無限に成長する!」
↓
利益ゼロでも株価が上がる
↓
PER 100倍、200倍も普通
↓
実態のない企業に投資殺到
特徴:
- ハイテク株だけの問題
- 不動産は関係ない
- 過剰な期待だけで膨らんだ
崩壊:
- 企業が利益を出せないと判明
- 株価だけが暴落
- 経済全体への影響は限定的
リーマンショック(2008年)
原因:
サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)
↓
証券化して世界中に販売
↓
「不動産は上がり続ける」
↓
返済能力のない人にも貸す
↓
住宅バブル崩壊
↓
証券化商品が暴落
↓
金融機関が連鎖破綻
特徴:
- 金融システム全体の問題
- 複雑な証券化商品(CDO、CDS)
- グローバルに連鎖
- 信用不安が核心
崩壊:
- リーマンブラザーズ破綻
- 世界的な金融危機
- 実体経済も崩壊
【3つのバブル比較表】
| 日本バブル | ITバブル | リーマンショック | |
|---|---|---|---|
| 時期 | 1980年代後半 | 1990年代後半 | 2000年代前半 |
| 主役 | 不動産+株式 | ハイテク株 | 不動産+証券化商品 |
| 原因 | 金融緩和+土地神話 | 過剰な成長期待 | サブプライム+証券化 |
| レバレッジ | 銀行融資 | 株式投資 | 証券化商品 |
| 崩壊の引き金 | 総量規制+利上げ | 利益が出ない現実 | 住宅価格下落 |
| 影響範囲 | 日本全体 | 主にハイテク | 世界中 |
| 金融危機 | 後に銀行不良債権問題 | 限定的 | 深刻なシステム危機 |
| 回復期間 | 30年以上(失われた30年) | 2-3年 | 5-10年 |
【なぜ日本だけ長期低迷?】
日本バブルの特殊性:
1. 不動産と株式の両方が崩壊
- ITバブル:株だけ
- リーマン:不動産中心だが回復策あり
- 日本:両方同時崩壊
2. 銀行の不良債権問題
土地価格暴落
↓
担保価値ゼロ
↓
企業が返済できない
↓
銀行が不良債権を抱える
↓
銀行が貸せなくなる(信用収縮)
↓
経済が回らない
処理が遅れた:
- 不良債権の処理に10年以上
- ゾンビ企業の延命
- 構造改革の遅れ
3. デフレスパイラル
資産価格下落
↓
消費者が買い控え
↓
企業が値下げ
↓
物価下落(デフレ)
↓
給料も下がる
↓
さらに買い控え
↓
負のスパイラル
4. 人口動態
- ちょうど高齢化が始まった
- 成長期待の低下
5. 政策対応の失敗
- 財政出動が中途半端
- 金融緩和が遅すぎた
- 消費増税(1997年)で腰折れ
【根本的な違い】
日本バブル:構造問題
- 土地神話という文化的要因
- 規制による制度的歪み
- 銀行の過剰融資体質
- 政策ミス(総量規制が急激すぎた)
ITバブル:期待バブル
- 技術への過剰期待だけ
- 実態経済への影響は小さい
- 株価だけの問題
リーマンショック:金融工学の失敗
- 複雑な証券化が問題
- リスクが見えなくなった
- グローバルに連鎖
- ただし政策対応は早かった(QE、ゼロ金利)
【結論】
日本バブルは独特:
- 金融緩和がきっかけ ✓(他と共通)
- 土地神話という日本特有の文化 ✗(日本だけ)
- 規制の歪みが土地供給を制限 ✗(日本だけ)
- 銀行の過剰融資 ✓(リーマンと似てる)
- 政策対応の失敗 ✗(日本だけ)
ITバブルやリーマンと似ている点:
- 金融緩和
- 「◯◯は上がり続ける」という信仰
- レバレッジの過剰
決定的に違う点:
- 土地神話という文化的要因
- 制度的歪み(規制)
- 政策対応の遅れ→30年の低迷
教訓:
- バブルは必ず崩壊する
- 「絶対に下がらない」は存在しない
- 政策対応の速度が明暗を分ける
- 日本はワーストケースのお手本
現在の日本がようやくデフレ脱却しつつあるのは、35年かかったということです…
不動産価格の崩壊とは具体的になにがおきる? 住宅価格がたかくなり、だれも不動産をかわなくなったってこと?
18:59
いい質問です! 実は逆なんです。
【不動産価格崩壊=価格が暴落すること】
高くなりすぎて誰も買わないではなく、 暴落して、それでも誰も買わないという状況です。
【具体的に何が起きたか:時系列】
バブル期(1985-1989年)
狂乱の不動産価格:
1985年:東京都心マンション 3,000万円
↓
1987年:5,000万円
↓
1989年:8,000万円(ピーク)
わずか4年で2.6倍!
土地の例:
- 東京都心の商業地:1平米500万円
- 銀座の一等地:1平米1,000万円超え
- 坪単価で言うと3億円!
誰が買ってた?
- 企業(財テク)
- 投資家(転売目的)
- 一般人も「買わないと一生買えない」と焦って購入
崩壊開始(1990年)
1. 総量規制(1990年3月)
政府:「銀行は不動産向け融資を制限せよ!」
↓
銀行が貸さなくなる
↓
買い手が消える
↓
価格が下がり始める
2. 最初は「ちょっとした調整」と思われた
1990年:8,000万円 → 7,500万円
「まあ、少し下がっただけ」
↓
1991年:7,000万円
「そろそろ買い時かな?」
↓
でも、まだ下がる...
本格的崩壊(1992-2003年)
止まらない下落:
1989年:8,000万円(ピーク)
↓
1992年:6,000万円
↓
1995年:4,000万円
↓
2000年:3,000万円
↓
2003年:2,500万円(底値)
ピークから約70%下落!
商業地はもっと悲惨:
- 銀座:1平米1,000万円 → 200万円(80%下落)
- 地方都市:90%以上下落も
【なぜ下がっても誰も買わないのか?】
1. 「まだ下がる」という恐怖
買い手の心理:
「今買ったら、来年もっと安くなるかも」
↓
「もう少し待とう」
↓
1年後、本当に下がる
↓
「やっぱり待って正解だった。もっと待とう」
↓
さらに下がる
↓
無限ループ
これがデフレスパイラル
2. 含み損を抱えた人が売れない
1989年に8,000万円で購入
ローン残高:7,000万円
↓
1995年、価格が4,000万円に
↓
売っても3,000万円の借金が残る
↓
売るに売れない...
↓
市場に物件が出てこない(流動性枯渇)
でも価格は下がり続ける
3. 銀行が貸さない(信用収縮)
土地価格暴落
↓
担保価値が下がる
↓
銀行:「融資できません」
↓
買いたくても買えない人が増える
↓
需要が減る
↓
さらに価格下落
負のスパイラル
4. 景気悪化で所得が減る
バブル崩壊
↓
企業が倒産・リストラ
↓
給料が減る・ボーナスカット
↓
住宅を買う余裕がない
↓
需要減少
↓
価格下落
1997年の消費増税でさらに悪化
5. 人口動態の変化
バブル期:団塊ジュニアが住宅購入年齢
↓
1990年代後半:少子化が顕在化
↓
「将来、家が余る」という予想
↓
長期的な価格下落予想
↓
買い控え
【具体的な被害者たち】
1. 高値で買ってしまった一般人
Aさんの例(実話ベース):
1989年:東京郊外のマンション購入
価格:8,000万円
頭金:1,000万円
ローン:7,000万円(35年)
2000年(11年後):
ローン残高:6,000万円
時価:2,500万円
含み損:-3,500万円
売っても4,000万円の借金が残る
でも月々のローンは払い続ける...
これが「失われた世代」
2. 投資目的で買った人
Bさん(不動産投資家):
1988年:都心の土地を5億円で購入
銀行借入:4億円
1995年:
時価:2億円
ローン残高:3.5億円
差額:-1.5億円の債務超過
↓
自己破産
多くの投資家が破産
3. 企業(財テクで失敗)
C社(製造業):
本業:年間利益10億円
財テク:不動産投資50億円
バブル崩壊後:
不動産価値:20億円
含み損:-30億円
本業3年分の利益が吹っ飛ぶ
↓
リストラ、事業縮小
「財テク」という言葉が死語に
4. 銀行(不良債権の山)
銀行の悲劇:
貸出:100億円
担保(土地):当時の評価100億円
バブル崩壊後:
担保価値:30億円
借り手が返済不能
回収不能額:70億円
↓
不良債権化
銀行全体で100兆円超の不良債権
【なぜ「下がっても誰も買わない」のか?】
心理的要因:
1. ナイフの落下(Falling Knife)
「落ちているナイフは掴むな」
下がっている最中に買う
↓
さらに下がる
↓
損失拡大
↓
「底を確認してから買おう」
↓
でも底がわからない
↓
誰も買わない
2. 機会損失の恐怖
「今買って損するより、
買わずに様子見する方が安全」
という心理
経済的要因:
1. 流動性の罠
価格が下がる
↓
銀行が貸さない
↓
買えない
↓
価格が下がる
↓
ループ
2. 所得の減少
景気悪化
↓
給料減少
↓
買えない
↓
需要減
↓
価格下落
【リーマンショックとの違い】
リーマンショック後の米国:
2006年:住宅価格ピーク
↓
2008年:リーマン破綻
↓
2009年:政府が大規模介入
- ゼロ金利
- QE(量的緩和)
- 不良債権の迅速処理
↓
2012年:底打ち
↓
2013年以降:回復
↓
2020年:ピーク超え
約6年で回復!
日本バブル崩壊:
1990年:ピーク
↓
1992年:政府が様子見
↓
1998年:ようやく本格対応
↓
2003年:底打ち
↓
2013年:アベノミクスでやっと回復基調
↓
2025年:まだピークに戻らず
35年経っても回復せず!
【現在の状況(2025年)】
東京都心のマンション価格:
1989年:8,000万円
↓
2003年:2,500万円(底)
↓
2025年:1億円超え(!)
ついにバブル期を超えた!
でも実質価格では:
- インフレ調整すると、まだバブル期より安い
- 給料は増えてないので、買いにくさは同じ
【まとめ:不動産価格崩壊とは】
× 高すぎて誰も買わなくなった ◯ 暴落したけど、それでも誰も買わなくなった
理由:
- 「まだ下がる」という恐怖
- 銀行が貸さない(信用収縮)
- 所得が減って買えない
- 含み損で売るに売れない
- 人口減少で長期的に下がると予想
結果:
- 需要が消える
- 価格が延々と下がり続ける
- 経済全体が停滞
- 失われた30年
教訓:
不動産バブルの崩壊は、 **「高い→誰も買わない」**ではなく、 「暴落→それでも誰も買わない→さらに暴落」 という恐怖の連鎖です。
これが日本の「失われた30年」の正体です。
シンプルに質問にこたえてくれればいいよ、例とかはいらない リーマンショックの不動産価格のピークはなぜおきた?
19:01
サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)の大量供給が原因です。
仕組み:
- 銀行が審査を緩くした
- 収入証明不要
- 頭金ゼロでもOK
- 返済能力なくても貸す
- 証券化で銀行がリスクを転嫁
- ローンを束ねて証券化(MBS)
- 世界中に販売
- 銀行は貸しても自分がリスクを負わない
- 需要が人為的に増えた
- 本来買えない人が買えるようになった
- 需要増→価格上昇
- 価格上昇→「儲かる」→もっと買う
- 「不動産は上がり続ける」という前提
- 返済できなくても転売すればOK
- 転売益で儲かる
結果: 過剰な需要で価格が異常に上昇→バブル化
崩壊: 返済不能者が増加→差し押さえ物件が市場に溢れる→需要<供給→価格暴落
証券化で銀行がリスクを転嫁 * ローンを束ねて証券化(MBS) →これってどういうこと?
19:02
証券化=ローンを商品にして売ること
具体的な流れ:
- 銀行が住宅ローンを貸す
- AさんにローンBさんにローンCさんにローン…
- 合計1000人分
- これを束ねて「証券」にする
- 1000人分のローンをパッケージ化
- 「住宅ローン担保証券(MBS)」という商品を作る
- 投資家に売る
- 年金基金、ヘッジファンド、世界中の銀行が買う
- 銀行は現金を得る
結果:
- 銀行:ローン債権を売却→リスクが投資家に移転
- 投資家:毎月のローン返済金を受け取る(利回り商品)
なぜ問題?
通常:銀行がリスクを負う→慎重に審査する
証券化:銀行がリスクを負わない→審査が甘くなる
→質の悪いローンが増える
→破綻が増える
→証券の価値が暴落
→世界中の投資家が損失
つまり: 銀行が「貸したら即売却」するので、貸し倒れリスクを気にしなくなった。
1000人分のローンをパッケージ化 →なんでこれをするの?だれが儲かるの?
19:03
銀行が儲かります。
理由:
1. 銀行がすぐに現金化できる
通常:
ローンを貸す→35年間回収を待つ→資金が固定される
証券化:
ローンを貸す→すぐ売却→現金が戻る→また貸せる
2. 何度も貸せる(回転率アップ)
資金100億円の場合:
通常:100億円貸したら終わり(35年固定)
証券化:
100億円貸す→売却→100億円戻る
→また100億円貸す→売却→100億円戻る
→また貸す...
1年で何回も貸せる=手数料収入が増える
3. 手数料ビジネス
- ローン実行時の手数料
- 証券化の手数料
- リスクを負わずに手数料だけ取れる
投資家側のメリット(と思われていた):
- 1000人分に分散→リスク分散
- 定期的な利息収入
- 格付けAAAで「安全」と思われていた
結果: 銀行は貸せば貸すほど儲かる→審査が甘くなる→質の悪いローンが増える→崩壊
買う側だれ? 当然価格が上がると思うからかうわけだよね?格付けAAAが大きな理由?
19:04
買う側:
- 年金基金
- 保険会社
- ヘッジファンド
- 世界中の銀行
- 投資信託
購入理由:
1. 格付けAAA(最重要)
- 格付け会社(ムーディーズ、S&P)がAAAをつけた
- AAA=国債並みに安全という評価
- 年金・保険は「AAA以上しか買えない」という規制がある
- だから安心して買った
2. 利回りが良い
- 国債:3%
- MBS(AAA):5-6%
- 「安全なのに利回りが高い!」
3. 価格上昇は関係ない
- 株と違って「値上がり益」を期待していない
- 利息収入が目的
- 毎月のローン返済金=配当のようなもの
4. リスク分散されている(と思った)
- 1000人に分散→何人か破綻しても大丈夫
- と思われていた
崩壊した理由: 格付けが嘘だった→実際はゴミローンの集まり→大量破綻→価値ゼロ
つまり買う側は「安全な債券」として買っていた。株のような値上がり期待ではない。
利回りが高い理由は? 債務者が支払い金利ってこと?
19:05
はい、その通りです。
利回りの流れ:
債務者(住宅ローン借りた人)
↓
金利6-7%で返済
↓
証券化
↓
投資家に5-6%で分配
↓
差額1%が銀行の取り分
利回りが高い本当の理由:
サブプライムローン=高金利
- 普通の住宅ローン:3-4%
- サブプライム:6-10%
- 信用力が低い人→高金利
なぜ高金利?
- 返済リスクが高い
- だから金利を高くして補償
矛盾:
リスク高い人に貸す
↓
本来なら危険
↓
でも証券化して「AAA」にする
↓
「安全だけど高利回り」に見せかける
↓
実際はリスクが高いまま
つまり: 高利回り=債務者の高金利が源泉 でも格付けで「安全」と偽装された これが詐欺的だった
証券化して「AAA」にする →なぜこれをやった?
19:05
格付け会社が金で買収されたから。
仕組み:
1. 格付け会社のビジネスモデル
銀行が格付け会社に依頼
↓
格付け会社が評価
↓
銀行が格付け会社に手数料を払う
利益相反:
- 評価される側(銀行)が評価する側(格付け会社)に金を払う
- 厳しい評価→銀行が他の格付け会社に依頼→収入減
- 甘い評価→銀行が喜ぶ→リピート→収入増
2. 競争原理が働いた
銀行:「AAAつけてくれないなら他に頼む」
格付け会社A:「じゃあAAAにします」
格付け会社B・C:「うちもAAAにします!」
3. 複雑な金融商品で誤魔化せた
- 数学的モデルで「分散効果」を主張
- 「1000人に分散すればリスクは消える」
- でも実際は全員が同時に破綻するリスクを無視
結果: ゴミローンでもAAAがついた
リーマン後: 格付け会社は訴訟・罰金を受けたが、誰も刑務所には行かなかった
なんでこれが破綻した?みんな返せない理由は?
19:07
返せない理由:
1. そもそも返済能力がない人に貸していた
- 収入証明不要
- 定職なし・低所得でもOK
- 「NINJA(No Income, No Job or Assets)ローン」
2. 変動金利・低金利期間終了
最初2年:金利2%(返済月10万円)
↓
3年目から:金利6%(返済月15万円)
↓
払えない
3. 住宅価格の下落
バブル時の考え:
「返せなくても家を売れば大丈夫」
崩壊後:
ローン残高:3000万円
家の価値:2000万円
↓
売っても1000万円の借金が残る
↓
払うより家を放棄した方がマシ
↓
差し押さえ急増
4. 連鎖反応
差し押さえ物件が市場に溢れる
↓
住宅価格がさらに下落
↓
もっと多くの人が「逆資産」状態に
↓
もっと差し押さえ増加
↓
価格暴落
結果: 最初から返済能力のない人に貸す→住宅価格が下がる→担保価値消失→大量破綻
となると、金利収入がなくなったと?
19:08
はい、その通りです。
流れ:
債務者が返済不能
↓
金利収入が止まる
↓
MBS(証券)の配当ゼロ
↓
証券の価値が暴落
↓
投資家が大損失
さらに悪いことに:
担保の家も無価値に
差し押さえて家を売却
↓
でも買い手がいない
↓
二束三文でしか売れない
↓
回収不能
証券の価値:
額面:100
↓
金利収入停止
↓
市場価格:20、10、5...
↓
最悪ゼロ
投資家: 「AAA(安全)で買ったのに、ほぼ全損」
これが世界中の銀行・年金基金を直撃→金融危機
もしかして、この証券を買うのにレバかけてた?
19:09
はい!それが致命的でした。
銀行・ヘッジファンドのやり方:
自己資本:100億円
↓
借入:900億円
↓
MBS購入:1000億円(レバレッジ10倍)
↓
MBSが10%下落
↓
損失100億円=自己資本ゼロ
↓
破綻
リーマンブラザーズ:
- レバレッジ約30倍
- わずかな下落で即死
なぜレバレッジをかけた?
- MBSは「AAA(安全)」だから
- 「安全な資産なら借金してたくさん買えばもっと儲かる」
- 利回り5%でも、レバレッジ10倍なら50%のリターン
連鎖倒産:
MBS価格下落
↓
レバレッジかけた銀行が破綻
↓
他の銀行も損失
↓
金融システム全体が崩壊
まとめ: 「安全」という嘘+レバレッジ=金融危機
レバレッジがなければ、損失は限定的だった。
でも、とわいえあそこまでマーケットが落ちることはないのでは?
19:10
いい指摘です。実はマーケット全体の暴落には別の理由があります。
MBSの損失だけなら限定的なはずだった。
でも実際に起きたこと:
1. 信用不安の連鎖
リーマン破綻
↓
「どの銀行が次に破綻する?」
↓
銀行同士が信用しなくなる
↓
銀行間融資が止まる
↓
流動性枯渇
2. 銀行が貸さなくなった(信用収縮)
銀行が損失
↓
自己資本比率が悪化
↓
企業にも個人にも貸せない
↓
企業が資金繰り倒産
↓
実体経済が崩壊
3. パニック売り
金融危機
↓
「世界恐慌が来る」
↓
あらゆる資産を売る
↓
株・不動産・商品すべて暴落
4. レバレッジ解消の連鎖
ヘッジファンドが損失
↓
追証(マージンコール)
↓
MBS以外の資産も強制売却
↓
優良資産まで暴落
つまり: MBSの損失→信用不安→金融システム全体の機能不全→実体経済崩壊
日経平均: 2007年:18,000円 → 2009年:7,000円(-60%)
MBS自体の問題ではなく、金融システムへの信頼崩壊が本質。
銀行間融資って?
19:11
銀行同士がお金を貸し借りすること。
なぜ必要?
銀行は毎日、資金が足りたり余ったりする:
A銀行:今日、大口預金が引き出された
↓
現金が足りない(でも明日には入金がある)
↓
B銀行から一晩借りる
↓
翌日返す
通常時:
- 銀行同士が気軽に貸し借り
- 金利も低い(オーバーナイト金利)
- 1日〜数週間の超短期
リーマンショック時:
A銀行:「明日、現金が足りない。貸して」
B銀行:「お前、破綻するんじゃないの?貸せない」
A銀行:「じゃあC銀行に...」
C銀行:「うちも怖い。貸せない」
↓
A銀行が資金繰り倒産
結果:
- 銀行間金利が急騰(LIBOR危機)
- 健全な銀行でも資金調達できない
- 金融システム全体が麻痺
中央銀行の介入: FRBや各国中央銀行が緊急で大量の資金供給→システム崩壊を阻止
つまり: 銀行間融資が止まる=金融システムの血流が止まる=即死
銀行間融資が止まったことってほかにある?
19:12
はい、何度かあります。
主な事例:
1. 2008年リーマンショック
- 最も深刻
- 世界中で銀行間融資が停止
2. 1998年LTCMショック
- ヘッジファンドLTCMが破綻寸前
- 銀行間で疑心暗鬼
- FRBが銀行団を集めて救済
- 短期間で収束
3. 2011年欧州債務危機
- ギリシャ危機→欧州銀行が不安視される
- 欧州の銀行間融資が凍結気味
- ECBが大量資金供給
4. 2020年3月コロナショック初期
- 数日間、市場が混乱
- FRBが即座に大規模緩和
- すぐ収束
5. 1997年アジア通貨危機
- 日本の銀行が疑われた
- 「ジャパンプレミアム」(日本の銀行だけ金利が高い)
- 国際的な資金調達困難
6. 1990年代初頭の日本(バブル崩壊後)
- 銀行の不良債権問題
- 銀行間の貸し渋り
- 信用組合の連鎖破綻
共通点:
- 金融システムへの信頼喪失
- 中央銀行が緊急介入
- 通常は短期間で収束(リーマンは例外的に深刻)
現在: 中央銀行が監視を強化しているので、すぐ対応できる体制。
ITバブルは?
19:13
ITバブル崩壊時は銀行間融資は止まっていません。
理由:
1. 株式市場だけの問題
- ハイテク株が暴落
- 銀行は健全
- 金融システムに問題なし
2. 銀行はITバブルに深く関与していなかった
- レバレッジをかけて投資していない
- 証券化もなし
- 損失は主に個人投資家・VC
3. 実体経済への影響が限定的
- 一部のIT企業が倒産
- でも製造業・金融は無傷
- 軽い景気後退で済んだ
4. 信用不安が起きなかった
- 銀行同士は信頼し合えた
- 資金は普通に回った
比較:
| 項目 | ITバブル | リーマンショック |
|---|---|---|
| 銀行間融資 | 正常 | 停止 |
| 銀行の損失 | 軽微 | 壊滅的 |
| 金融危機 | なし | あり |
| 回復期間 | 2-3年 | 5-10年 |
つまり: ITバブル=株価だけの問題 リーマン=金融システム全体の崩壊
だからITバブルは軽かった。
Itバブルの方が軽微?
19:14
はい、圧倒的に軽微でした。
データで比較:
株価下落率:
- ITバブル:ナスダック -78%(2000-2002年)
- リーマン:S&P500 -57%(2007-2009年) → ITの方が下落率は大きいのに影響は小さい
失業率:
- ITバブル:最大6.3%(軽い上昇)
- リーマン:最大10%(深刻)
GDP成長率:
- ITバブル:マイナス成長は1四半期のみ
- リーマン:4四半期連続マイナス
銀行破綻:
- ITバブル:ほぼなし
- リーマン:リーマン、ベアスターンズ、ワシントンミューチュアル等
政府介入:
- ITバブル:ほぼ不要
- リーマン:7000億ドルの救済(TARP)、QE
回復期間:
- ITバブル:2003年には回復基調
- リーマン:2013年頃まで影響
なぜITバブルが軽かった?
- 株だけの問題
- 銀行は健全
- 信用収縮なし
- 実体経済への波及小
つまり: 株価下落の大きさ≠経済への影響
金融システムが壊れたかどうかが決定的。
ITバブル崩壊もリーマンショックの本来価値のないものにレバをかけたってことだけど、いまはAIは価値あると思うけど
19:21
重要な違いがあります。
ITバブルの企業:
- 利益ゼロ、売上もほぼゼロ
- ビジネスモデルが不明確
- 「.comドメインがあれば株価100倍」
- 実態がまったくなかった
リーマンのMBS:
- 返済能力ゼロの人へのローン
- 格付けが嘘
- 最初からゴミだった
今のAI企業(例:NVIDIA):
- 売上:600億ドル超
- 利益:300億ドル超
- 実際に製品が売れている
- 顧客が実在し、使っている
- 実態がある
ただし、注意点:
1. 期待が過剰かもしれない
現在の株価:時価総額3兆ドル
↓
織り込んでいる成長:今後10年で10倍?
↓
もし成長が鈍化したら株価暴落
2. 全てのAI企業が本物ではない
- NVIDIAやOpenAI:本物
- 「AI」と名乗るだけの企業:ITバブルと同じ
3. レバレッジの問題
- AI株にレバレッジをかけている投資家が多い
- 暴落時に強制売却→加速
結論:
AIは実態がある点でITバブルやリーマンと違う。
でも:
- 期待が過剰なら調整はある
- レバレッジが多ければ暴落もありうる
- ただし金融システム崩壊までは行かない
ITバブル・リーマンとの違い:価値がある技術だが、株価が適正かは別問題。
日本のバブルはなにに価値がなかったそれか過剰だったと思う?
19:21
土地に対する「期待」が過剰でした。
土地自体には価値がある:
- 土地は実物資産
- 使える、住める
- ゼロにはならない
でも期待が狂っていた:
1. 「土地は永遠に値上がりする」
- 実際は需要と供給で決まる
- 人口減少・経済停滞なら下がる
2. 価格が実需と乖離
銀座1坪:3億円
↓
そこで商売して3億円回収できる?
↓
無理
↓
投機目的だけで買われていた
3. 「担保価値が永遠に続く」
土地を担保に借りる
↓
また土地を買う
↓
また担保に...
↓
これが続くと信じていた
比較:
| バブル | 実態 | 過剰な期待 |
|---|---|---|
| 日本 | 土地(実物) | 「永遠に上がる」 |
| IT | 一部は実態あり | 「全てのネット企業が成功」 |
| リーマン | ローン(実態あり) | 「皆が返済できる」 |
| AI | 技術(実態あり) | 「全てがAIで革命」? |
結論: 日本バブルは土地の価値自体ではなく、「永遠に上がる」という期待が過剰だった。
価値があるものでも、期待が過剰ならバブルになる。
米国で他にバブルといわれた事例はある?
19:22
はい、いくつかあります。
1. 1929年世界恐慌(株式バブル)
- 1920年代:株価が5倍に
- レバレッジ取引が主流
- 1929年10月:ブラックマンデー
- ダウ -89%の暴落
- 大恐慌へ
2. 1980年代S&L危機(貯蓄貸付組合)
- 不動産バブル
- S&L(地域金融機関)が過剰融資
- 1000以上のS&Lが破綻
- 政府が救済
3. 1990年代後半ITバブル
- すでに説明済み
4. 2000年代半ば住宅バブル(リーマン)
- すでに説明済み
5. 2021年ミームストックバブル
- GameStop、AMCなど
- Reddit主導で株価が異常高騰
- 数週間で終息
- 局地的で影響小
6. 2021年暗号資産バブル
- ビットコイン:6万9000ドル
- 2022年:1万6000ドル(-77%)
- 金融システムへの影響は限定的
7. 2020-2021年SPACバブル
- 特別買収目的会社が乱立
- 実態のない企業が上場
- 2022年に大半が暴落
現在懸念されているもの:
AI株バブル?
- NVIDIA等の評価が高すぎる可能性
- まだ崩壊していない
商業不動産バブル?
- リモートワーク普及で需要減
- オフィスビルの価値下落中
- まだ本格的な危機には至っていない
結論: 米国は約10-20年周期でバブルを繰り返している。ただし金融システム全体を揺るがしたのは1929年とリーマンだけ。
1929年世界恐慌(株式バブル)はなにに価値がなかった?
19:23
株式自体には価値がありました。
過剰だったのは:
1. 株価の水準
実際の企業利益:普通
株価:PER 30-40倍(異常に高い)
↓
利益の30年分を先取り
↓
期待が過剰
2. レバレッジ取引の異常さ
証拠金率:10%(レバレッジ10倍)
↓
10万ドルで100万ドル分の株を買える
↓
10%下落で全損
↓
強制売却の連鎖
3. 「株は永遠に上がる」という信仰
- 1920年代:9年間上昇
- 「新時代」論(New Era)
- 「もう景気後退はない」
4. 誰もが株を買っていた
- 靴磨きの少年まで株の話
- 借金して株を買う
- 投機が当たり前
崩壊の理由:
実体経済が減速の兆し
↓
株価が少し下がる
↓
レバレッジ10倍の人が追証
↓
強制売却
↓
株価がさらに下がる
↓
もっと追証
↓
パニック売り
↓
-89%の大暴落
比較:
| バブル | 実態 | 過剰な期待 |
|---|---|---|
| 1929年 | 企業(実態あり) | 株価水準・レバレッジ |
| 日本 | 土地(実態あり) | 「永遠に上がる」 |
| IT | 一部実態なし | ビジネスモデル不在 |
| リーマン | ローン(質が悪い) | 格付けが嘘 |
結論:
1929年は企業に価値はあったが、株価とレバレッジが異常だった。
実態のある資産でも、価格と借金が過剰ならバブルになる。
レバレッジの規制はできた?
19:24
はい、規制ができました。
1934年証券取引法
レバレッジ規制:
- 証拠金率の最低基準を設定
- FRB(連邦準備制度)が管理
- 現在:最低50%(レバレッジ2倍まで)
1929年との比較:
- 1929年:証拠金10%(レバレッジ10倍)
- 現在:証拠金50%(レバレッジ2倍)
その他の主要規制:
1933年グラス・スティーガル法
- 商業銀行と投資銀行を分離
- ※1999年に廃止→リーマンの一因
1934年SEC(証券取引委員会)設立
- 市場監視
- インサイダー取引規制
2010年ドッド・フランク法(リーマン後)
- 銀行のレバレッジ規制強化
- ストレステスト義務化
- デリバティブ規制
バーゼルIII(国際規制)
- 銀行の自己資本比率規制
- レバレッジ比率の上限設定
現在の状況:
個人投資家:
- 株式:レバレッジ2倍まで
- 先物・FX:規制が緩い(10-25倍も可能)
機関投資家:
- 銀行:厳しく規制(5-10倍程度)
- ヘッジファンド:比較的自由(10-30倍も)
結論:
株式のレバレッジは規制された(10倍→2倍)
ただし:
- 先物・デリバティブは抜け穴
- ヘッジファンドは規制が緩い
- 完全には防げていない
なぜ規制をしない?
19:26
規制する側とされる側が近すぎるから。
1. 政治献金・ロビー活動
金融業界
↓
政治家に献金
↓
規制緩和を要求
↓
政治家が規制を緩める/作らない
実例:
- ウォール街は毎年数億ドルをロビー活動に使う
- 議員の最大献金元は金融業界
2. 回転ドア(Revolving Door)
政府高官
↓
退職後、金融機関の役員に
↓
金融業界に有利な政策を作る
実例:
- 財務長官→ゴールドマン・サックス出身
- SEC幹部→退職後ヘッジファンド顧問
3. 「規制=経済の足かせ」論
金融業界の主張:
「規制すると競争力が落ちる」
「イノベーションが阻害される」
「経済成長が鈍る」
↓
政治家が説得される
4. 国際競争
米国が厳しく規制
↓
金融業がロンドンや香港に移転
↓
米国の金融センターとしての地位低下
↓
規制を緩めざるを得ない
「規制競争の底辺への競争」
5. 複雑すぎて規制できない
金融商品が複雑化
↓
規制当局が理解できない
↓
抜け穴だらけの規制
↓
実質的に無効
6. 「今回は違う」症候群
バブル崩壊
↓
規制強化
↓
10年経つと忘れる
↓
「今の金融は進化した」
↓
規制緩和
↓
次のバブル
実例:
- 1933年:グラス・スティーガル法(厳格)
- 1999年:廃止
- 2008年:リーマンショック
7. 危機が起きないと動かない
平時:「規制は不要」
危機:「規制強化だ!」
↓
でも10年で忘れる
具体例:ヘッジファンド規制
規制が緩い理由:
- 「富裕層向けだから自己責任」
- 「機関投資家はプロだから大丈夫」
- でも実際はLTCM、アルケゴスで破綻
なぜ規制しない?
- 富裕層の投資先を奪えない
- ヘッジファンドが政治献金
- 「自由市場」のイデオロギー
結論:
規制しない理由:
- 金融業界の政治力
- 回転ドア
- 国際競争
- 「今回は違う」
- 危機が起きないと動かない
本音: 規制する力はあるが、する気がない。
金融業界が政治を支配している。
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