デフレ懸念はブレークイーブンインフレ率がどのくらいなるとわかる?
12月11日
ブレークイーブンインフレ率(BEI)からデフレ懸念を判断する際の目安についてお答えします。
一般的に、以下のような水準が注目されます:
デフレ懸念の兆候:
- BEIが1%未満: デフレリスクが意識され始める水準
- BEIが0%に接近または下回る: 市場が明確にデフレを予想している状態
- BEIが急速に低下: たとえ絶対水準が低くなくても、急激な下落はデフレ懸念の高まりを示す
背景: ブレークイーブンインフレ率は、名目国債利回りと物価連動債(TIPS)の利回りの差から算出され、市場が予想する期間平均のインフレ率を表します。
注意点:
- 中央銀行のインフレ目標(日本は2%、米国も2%)を大きく下回る水準が続くと、デフレ懸念が強まります
- 5年物BEI、10年物BEIなど期間によって見方が異なります
- 流動性プレミアムなど技術的要因も影響するため、単独で判断するのではなく、他の経済指標と合わせて見ることが重要です
日本の場合、過去のデフレ期には実際にBEIがマイナス圏に沈んだこともありました。現在の具体的な水準については、最新のデータを確認する必要があります。
どういうことが起きると懸念が起きる?
12月11日
デフレ懸念が高まる時には、以下のような現象が起きています:
経済の悪循環が始まる兆候
需要の減少:
- 消費者が「今買わなくても、将来もっと安くなる」と考えて購買を先延ばし
- 企業の売上が減少し、在庫が積み上がる
- 設備投資や雇用の抑制につながる
価格低下の連鎖:
- 商品やサービスの価格が継続的に下落
- 企業の売上・利益が減少
- 賃金カットやリストラの増加
- さらに消費が減退する悪循環
金融市場の動き:
- 株価の下落(企業業績悪化の予想)
- 信用スプレッドの拡大(企業の信用リスク上昇)
- 安全資産(国債など)への逃避
- 為替市場でのデフレ通貨安(または質への逃避での通貨高)
具体的なトリガー例:
- 大規模な金融危機や経済ショック
- 資産価格(不動産・株)の急落
- 急激な需要減退(パンデミック、大災害など)
- 過度な金融引き締め
- 債務デフレの懸念(借金の実質的負担増)
こうした状況下で、市場参加者が「物価が下がり続ける」と予想し始めると、BEIが急低下し、デフレ懸念が顕在化します。
これってだれの期待?
12月11日
ブレークイーブンインフレ率(BEI)が反映しているのは、債券市場の投資家たちの期待です。
具体的には:
主な市場参加者:
- 機関投資家(年金基金、保険会社、投資信託など)
- ヘッジファンド
- 銀行・証券会社
- 中央銀行
- 個人投資家(一部)
彼らの行動が価格に反映される:
- 名目国債と物価連動債のどちらを買うか、売買の判断をする際に、将来のインフレ予想を織り込む
- 多くの投資家の売買が集積されて、債券価格が決まり、その結果としてBEIが算出される
つまり: BEIは「市場全体の集合知」として機能していますが、必ずしも一般消費者や企業経営者の期待とは一致しません。
他の期待指標との違い:
- 消費者・企業のサーベイ調査: 一般の人々や企業が答えるインフレ期待
- エコノミスト予想: 専門家の予測
- 市場ベース(BEI): 実際にお金を賭けている投資家の行動に基づく
中央銀行は、これらすべての「期待」を総合的に見て、政策を判断しています。
銀行間の信用収縮を捉えるには?
12月11日
銀行間の信用収縮を捉えるには、以下の指標を見ます:
主要な指標
1. インターバンク金利のスプレッド:
- LIBOR-OIS スプレッド(または各国版):
- LIBOR(銀行間貸出金利)とOIS(翌日物金利スワップ)の差
- 通常時は数bp程度だが、信用収縮時には急拡大
- 2008年リーマンショック時には300bpを超えた
- TIBOR-OIS スプレッド(日本)
- EURIBOR-OIS スプレッド(欧州)
2. 短期金融市場の動き:
- コールレート: 銀行間の超短期資金取引の金利
- レポ金利: 担保付き資金調達の金利
- CP(コマーシャルペーパー)レート: 企業の短期資金調達コスト
3. 中央銀行の資金供給オペ:
- 緊急流動性供給の規模・頻度
- 応札倍率の急上昇
- 中央銀行当座預金への資金滞留
4. TED スプレッド:
- 3ヶ月物LIBORと米国債金利の差
- 銀行の信用リスクと安全資産への逃避を示す
5. クレジット・デフォルト・スワップ(CDS):
- 主要銀行のCDSプレミアム上昇
- 銀行の破綻リスクを市場がどう見ているか
信用収縮の兆候
これらの指標が示すのは:
- 銀行同士が互いを信用しなくなり、資金を貸さなくなる
- 資金調達コストが急上昇
- 流動性が枯渇し、経済全体への資金供給が滞る
現在の状況を確認したい場合は、最新データを検索しましょうか?
トレーディングビューでみれるのは?
12月11日
TradingViewで銀行間信用収縮や金融ストレスを捉えられる主な指標は:
直接見られる指標
1. 金利スプレッド:
- TED Spread: シンボル
TEDRATEまたはTED- 3ヶ月LIBOR と 3ヶ月米国債の差
- LIBOR金利:
USD3M、USD1Mなど - OIS金利:
USSOFR(SOFR – LIBORの後継指標)
2. 短期金利:
- Federal Funds Rate:
FEDFUNDS - SOFR (Secured Overnight Financing Rate):
USSOFR - 各国のインターバンク金利
3. 国債利回り:
- 米国債:
US03MY(3ヶ月)、US02Y(2年) など - 短期債と長期債のスプレッドで市場ストレスを把握
4. VIX関連:
- VIX: 株式市場のボラティリティ指数
- MOVE指数: 債券市場のボラティリティ
5. 銀行株指数:
- BKX (KBW Bank Index)
- 個別銀行株の動き
注意点
TradingViewではLIBOR-OISスプレッドを直接チャート化するのは難しいですが、各金利を個別に表示して比較したり、カスタムインジケーターで差を計算することは可能です。
より詳細な金融ストレス指標は、ブルームバーグなど専門端末の方が充実しています。
短期金利は通常あがるってこと?
12月11日
はい、信用収縮時には短期金利が上がります。その仕組みを説明します:
なぜ短期金利が上がるのか
1. 銀行間の信用不安:
- 銀行が「相手が破綻するかも」と疑心暗鬼になる
- 貸し出しにはより高い金利を要求(リスクプレミアム)
- または貸出自体を拒否
2. 流動性プレミアム:
- 「現金を手放したくない」心理が働く
- 資金を借りたい銀行が増える一方、貸したい銀行が減る
- 需給の逼迫で金利上昇
3. 具体的な動き:
- 政策金利(例:FFレート): 中央銀行が設定する目標レート
- 実際の市場金利(LIBOR等): 政策金利を大きく上回る
- このスプレッド拡大が信用収縮の証
例:リーマンショック時(2008年)
- FRBは政策金利を引き下げていた
- しかしLIBOR-OISスプレッドは300bp超に拡大
- つまり、中央銀行が下げようとしても、市場金利は上昇
中央銀行の対応
信用収縮を察知すると:
- 大量の資金供給オペ
- 政策金利の引き下げ
- 緊急貸出制度の発動
これらで短期金利上昇を抑えようとしますが、危機時には市場の不安が勝ることもあります。
つまり: スプレッド拡大と短期金利上昇は、銀行間の「信用」が失われている重要なシグナルです。
3ヶ月金利をみるとわかる?
12月11日
3ヶ月金利だけを見ても、信用収縮は直接的にはわかりません。重要なのは:
なぜ3ヶ月金利単体では不十分か
1. 政策金利の影響が大きい:
- 3ヶ月金利(LIBOR、TIBORなど)は中央銀行の政策金利に連動
- 金利が上がっても、それが「政策による引き締め」なのか「信用収縮」なのか区別できない
2. 見るべきは「スプレッド」:
信用収縮の兆候 = 3ヶ月LIBOR - リスクフリーレート(OISや国債)
正しい見方
比較が必要:
- 3ヶ月LIBOR vs 3ヶ月OIS → スプレッド拡大なら信用不安
- 3ヶ月LIBOR vs 3ヶ月米国債 → TED Spread(信用リスク指標)
- 3ヶ月金利 vs 政策金利 → 乖離が拡大なら市場ストレス
単体で見る場合の限界:
- 金利が5%でも、政策金利が4.5%なら正常範囲
- 金利が2%でも、スプレッドが急拡大していれば危険信号
TradingViewでの実践
US03MY (3ヶ月米国債) と USD3M (3ヶ月LIBOR)
両方を表示して、差が拡大しているかを見るのが効果的です。
結論: 3ヶ月金利の絶対水準ではなく、スプレッドの変化を見ることが重要です。
USD3Mってなに?
12月11日
USD3Mは、TradingViewでの3ヶ月物米ドルLIBORのシンボルです。
LIBORとは
LIBOR (London Interbank Offered Rate)
- ロンドン市場での銀行間貸出金利
- 主要銀行が互いに資金を貸し借りする際の「提示金利」
- 3ヶ月、6ヶ月など複数の期間がある
USD3Mの意味
- USD: 米ドル建て
- 3M: 3ヶ月(3 Months)
- つまり「3ヶ月間、米ドルを銀行間で貸し借りする時の金利」
重要な変更点
2023年6月末でLIBORは廃止されました
代わりに:
- SOFR (Secured Overnight Financing Rate):
USSOFR - Term SOFR: 3ヶ月物などの期間物
TradingViewで現在見るべきもの
信用収縮を捉えるなら:
- SOFR関連:
USSOFR(後継指標) - TED Spread:
TEDRATE(まだ過去データとして有用) - 3ヶ月米国債:
US03MY - スプレッド比較: SOFR系の金利 vs 国債金利
注意: USD3Mは過去データとしては見られますが、現在は更新されていません。現在の市場ストレスを見るなら、SOFR系の指標を使う必要があります。
いったんはこれ見てるけど BAMLH0A0HYM2
12月11日
BAMLH0A0HYM2は素晴らしい選択です!
この指標は何か
ICE BofA US High Yield Index Option-Adjusted Spread
- ハイイールド債(ジャンク債)と米国債のスプレッド
- 信用リスクの高い企業債の利回りプレミアム
なぜ信用収縮の指標として優れているか
1. 信用リスクに敏感:
- 金融市場のストレスを直接反映
- 銀行間だけでなく、企業の資金調達環境全体を示す
2. 危機時の動き:
- 通常時: 300-500bp程度
- 金融危機時: 1,000bp超に急拡大
- 2008年リーマンショック: 2,000bp近くまで上昇
- 2020年コロナショック: 1,000bp超
3. 早期警戒シグナル:
- 信用収縮の初期段階で拡大し始める
- 株価より先行することも多い
合わせて見るとより効果的な指標
銀行間の信用収縮も捉えるなら、追加で:
- 投資適格社債スプレッド: より保守的な企業債
- TED Spread: 銀行間市場の直接指標
- 金融株指数(BKX): 銀行セクターの健全性
- VIX: 市場全体の恐怖指数
BAMLH0A0HYM2は「広義の信用収縮」を捉える優れた指標です!
投資適格社債スプレッド のティッカーは?
12月11日
投資適格社債スプレッドの主なティッカーは:
TradingViewで見られる主要なもの
1. ICE BofA US Corporate Index Option-Adjusted Spread:
- BAMLC0A0CM – 全投資適格社債の総合スプレッド
- 最も一般的に使われる指標
2. 格付け別の細分化:
- BAMLC0A1CAAAEY – AAA格
- BAMLC0A2CAAEY – AA格
- BAMLC0A3CAEY – A格
- BAMLC0A4CBBBEY – BBB格
3. 期間別:
- BAMLC1A0C13Y – 1-3年物
- BAMLC2A0C35Y – 3-5年物
- BAMLC7A0C710Y – 7-10年物
信用収縮分析での使い方
比較すると効果的:
- BAMLC0A0CM (投資適格) vs BAMLH0A0HYM2 (ハイイールド)
- スプレッドの拡大度合いの違いで、リスク選好度がわかる
- 通常時: ハイイールドの方が大きく変動
- 危機時: 両方とも急拡大するが、ハイイールドの方が極端
BAMLC0A0CMが最も汎用性が高いのでおすすめです!
どっちも10年金利とのすぷれっどだっけ?
12月11日
いいえ、10年金利とのスプレッドではありません。
正確には
Option-Adjusted Spread (OAS) は:
- 同じ年限の米国債との利回り差
- 各社債の残存期間に応じた国債金利と比較
具体的な計算方法
例えば、このインデックス内に:
- 5年後満期の社債A → 5年物国債金利と比較
- 10年後満期の社債B → 10年物国債金利と比較
- 3年後満期の社債C → 3年物国債金利と比較
インデックス全体のスプレッド = これらの加重平均
“Option-Adjusted” の意味
- コーラブル債(発行体が早期償還できる債券)などの組み込みオプションを調整
- より純粋な信用リスクプレミアムを表す
つまり
- 単純に「10年金利 – 社債利回り」ではない
- より精緻に計算された信用リスクプレミアム
- だからこそ、信用収縮の指標として信頼性が高い
BAMLC0A0CMもBAMLH0A0HYM2も同じ方法論で計算されているので、両者を直接比較できます。
BAMLH0A0HYM2EY ではないよね?
12月11日
はい、違います!
正しい区別
BAMLH0A0HYM2 (あなたが見ているもの):
- ハイイールド債のスプレッド(単位: bp = ベーシスポイント)
- Option-Adjusted Spread
BAMLH0A0HYM2EY:
- ハイイールド債の実効利回り(Effective Yield)
- スプレッドではなく、絶対的な利回り水準(%)
具体例で違いを理解
仮に現在:
- 10年米国債利回り: 4.5%
- ハイイールド債スプレッド(BAMLH0A0HYM2): 400bp
この場合:
- BAMLH0A0HYM2 = 400 (スプレッド)
- BAMLH0A0HYM2EY = 約8.5% (4.5% + 4.0%)
信用収縮を見るには
BAMLH0A0HYM2 (スプレッド) の方が適切:
- 政策金利の影響を除外できる
- 純粋な信用リスクの変化を捉える
- 金利が低くても高くても、スプレッド拡大=信用悪化
あなたの選択は正しいです!
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