銅はインフレの先行指標になる?
20:27
銅は「ドクター・カッパー(Dr. Copper)」という愛称で呼ばれるほど、経済指標として重要視されています。インフレの先行指標としての側面もありますが、より正確には景気全体の先行指標として機能します。
銅が経済指標として注目される理由は、建設、製造業、電力インフラ、電子機器など幅広い産業で使用されるためです。経済活動が活発化する初期段階で需要が増加し、価格が上昇する傾向があります。
インフレとの関係については:
- 銅価格の上昇は需要増加を示し、経済活動の活発化を反映します。これが賃金上昇や他の価格上昇につながることで、インフレ圧力の兆候となりえます
- ただし、銅価格は供給側の要因(鉱山ストライク、生産削減、中国の需要変動など)にも大きく影響されるため、必ずしも純粋なインフレ指標とは言えません
- コモディティ価格全般の上昇の一部として、コストプッシュ型インフレの要因にもなります
実務的には、銅価格は景気サイクルの転換点を示唆する指標として、インフレ指標よりも広い文脈で解釈されることが多いです。インフレ予測には、銅価格を他の指標(原油価格、賃金統計、PMIなど)と組み合わせて分析するのが一般的です。
上昇していますが景気がいいということですかね?
20:29
銅価格が上昇している場合、景気の良さを示唆することもありますが、現在の状況を正確に把握するために最新情報を確認させてください。
copper price 2024 2025
10件の結果
現在の銅価格の状況から判断すると、必ずしも単純に「景気がいい」とは言えない複雑な状況です。
現在の銅価格の状況:
- 12月中旬時点で約$5.45/ポンドで、7月以来の4ヶ月ぶりの高値
- 過去4週間で約8%上昇、過去1年間で31%上昇
価格上昇の主な要因:
- 供給制約 – これが最大の要因
- チリ・ペルーの鉱山での生産障害(世界供給の40%を占める)
- インドネシアのGrasberg鉱山の事故による操業停止
- LME在庫の急減(米国の関税懸念による引き出し増加)
- 中国の刺激策への期待
- 2025年に向けた経済支援策の発表
- ただし、不動産セクターは依然低迷
- 金融政策
- 米連邦準備制度の利下げ
景気の実態:
- 中国経済:回復基調だが不動産セクターは弱い(住宅価格は2025年も3.7%下落予想)
- 米国:製造業・建設業は堅調だが力強くはない
- 需要成長は主にEV・データセンター・エネルギー転換関連
つまり、今回の価格上昇は需要増加による景気の良さというよりも、供給側の問題と将来への期待が主因です。伝統的な景気指標としての銅の役割は、やや複雑になっていると言えるでしょう。
他にインフレや景気の指標で炭鉱のカナリアはある?
20:31
「炭鉱のカナリア」的な早期警告指標として、いくつか注目されているものがあります:
金融市場系
逆イールドカーブ(長短金利差)
- 短期金利が長期金利を上回る現象で、過去50年でほぼすべての景気後退の前に発生
- 通常6~18ヶ月前に警告を出す優れた先行指標
- ただし「今回は違う」論争も常にあります
ハイイールド債のスプレッド
- 「ジャンク債」と国債の金利差が拡大すると、投資家がリスクを警戒している兆候
- 信用収縮の前触れとなることが多い
実体経済系
バルチック海運指数
- 海上貨物運賃の指標で、実際の貿易量を反映
- 投機の影響を受けにくく、リアルな需要を示す
半導体受注比率(Book-to-Bill Ratio)
- 半導体業界の受注と出荷の比率
- テクノロジー投資や製造業全体の先行指標
トラック輸送量・鉄道貨物量
- 実際の物流量で、消費と生産活動を直接反映
- 米国では特に注目される
消費・雇用系
臨時雇用・派遣労働者数
- 企業が最初に調整するのが非正規雇用
- 本格的な雇用悪化の数ヶ月前から減少開始
小売在庫/売上比率
- 在庫が積み上がると需要減速のサイン
- 過剰在庫は値引きとデフレ圧力につながる
段ボール出荷量
- eコマース時代の消費活動指標
- 「Amazon指数」とも呼ばれることも
コモディティ系
原油価格
- 依然として重要だが、供給ショックに左右されやすい
- OPECの政治的判断の影響も大きい
CRB指数(商品価格指数)
- 幅広いコモディティのバスケット
- 銅単体よりバランスが取れている
ユニークな指標
スキップ・ザ・ディッシュ指数(外食デリバリー需要)
- 消費者の余裕度を示す
- 不況になると真っ先に削られる支出
段ボール箱製造業PMI
- あらゆる製品出荷に必要で、幅広い経済活動を反映
中古車価格
- 消費者の購買力と信用状況を反映
- 2020-2023年は特に注目された
実際には、単一の指標に頼るのは危険です。複数の指標を組み合わせて、相互に確認しながら判断するのが賢明です。例えば、逆イールドカーブ + 銅価格下落 + 臨時雇用減少が同時に起これば、かなり信頼性の高い警告と言えるでしょう。
ITバブル崩壊の時には、景気後退懸念はなかっと聞きたのですがそうでしたかね?
20:33
いえ、それは正確ではありません。ITバブル崩壊時には景気後退懸念は確実にありました。
dot-com bubble 2000 2001 recession warning signs
10件の結果
調べた結果、実際には景気後退懸念は確実にありました。
警告のサインがあった証拠:
- 1996年12月 – アラン・グリーンスパンFRB議長の警告
- 有名な「根拠なき熱狂(irrational exuberance)」という言葉で市場の過熱を警告
- 1999-2000年の利上げ
- FRBは1999年初頭から2000年初頭にかけて6回も利上げを実施
- これは明らかに過熱懸念への対応
- 2000年3月 – バロンズ誌の警告記事
- 「燃え尽きる:警告:インターネット企業は急速に現金を使い果たしている」というカバーストーリーで破産を予測
- エコノミストたちの懸念
- 多くのエコノミストが1929年の株式市場大暴落に匹敵する投機バブルだと警告していた
実際の景気後退:
- 米政府は2001年3月に景気後退が始まったと正式に認定
- バブル崩壊(2000年3月)から約1年後
- 失業率は2000年12月の3.9%から2003年6月の6.3%に上昇
- シリコンバレーだけで2001-2004年に20万人の雇用が失われた
もしかすると、「当時は景気後退懸念がなかった」という話は、バブルのピーク時(1999年後半~2000年初頭)の楽観ムードのことを指しているのかもしれません。その時期、多くの投資家は「今回は違う(This time is different)」と信じ、警告を無視していました。しかし専門家レベルでは明確に懸念の声が上がっていたのが実態です。
ピーク時のことです
20:34
なるほど、バブルのピーク時(1999年後半~2000年3月頃)の市場心理についてですね。
その点では確かにおっしゃる通りです。ピーク時には:
当時の楽観的な雰囲気
「今回は違う(This time is different)」という信念
- 従来の経済法則は通用しない
- インターネットが世界を変える
- 利益なんて関係ない、重要なのは成長とトラフィック
- P/E比率などの伝統的指標は時代遅れ
異常な熱狂
- TheGlobe.comのIPOは初日に600%以上上昇(ウォール街史上最大)
- 1998年末のEarthWebのIPO後、NASDAQ初めて2000ポイント突破
- 「.com」が名前につけば何でも株価が上がる状況
警告の無視
- グリーンスパンの「根拠なき熱狂」警告(1996年)→市場は気にせず上昇継続
- FRBが利上げしても→NASDAQは上がり続けた
- バロンズ誌の警告記事(2000年3月)が出ても→すぐには効かなかった
一般投資家の大量参入
- 1998年: 1500億ドル
- 1999年: 1760億ドル
- 2000年: 2600億ドル(崩壊が始まってからも増加)
つまり、ピーク時の市場参加者の多くは景気後退なんて考えてもいなかったというのが実態です。専門家が警告していても、市場の熱狂が警告を圧倒していました。
これは典型的なバブル心理で、**「炭鉱のカナリア」が鳴いていても、誰も聞いていない(または聞こえないふりをしている)**状態だったと言えますね。
じゃなんで価格崩壊した?
20:35
バブルのピーク時に誰も景気後退を心配していなかったのに、なぜ突然崩壊したのか——これは重要な問いですね。
崩壊のきっかけ(2000年3月)
1. 日本の景気後退ニュース(2000年3月13日)
- NASDAQは3月10日に5,048でピークに到達
- わずか3日後、日本の景気後退のニュースで世界的な売りが始まった
- テクノロジー株が特に大きな打撃を受けた
2. バロンズ誌の記事(2000年3月20日)
- 「インターネット企業は急速に現金を使い果たしている」
- 多くのドットコム企業の差し迫った破産を予測
- これが現実味を帯びて投資家心理が変化
3. マイクロソフト独占判決(2000年4月3日)
- 連邦裁判所がマイクロソフトを独占企業と認定
- マイクロソフト株が1日で15%下落
- NASDAQが350ポイント(8%)急落
- 「テクノロジー全体に悪い」という認識が広がった
4. 2000年4月14日の大暴落
- NASDAQが9%下落
- 1週間で25%下落
- 投資家が前年の利益に対する税金を払うために株を売却せざるを得なかった
なぜ突然崩壊したのか?
バブルの本質的な脆弱性:
- 実態のない評価
- 多くの企業が利益ゼロ、むしろ赤字
- 売上よりマーケティング費用の方が大きい
- ビジネスモデルが実は機能しない
- 資金繰りの限界
- ベンチャーキャピタルとIPOで調達した資金を急速に消費
- バーンレート(現金消費速度)が異常に高い
- Pets.comなどは数ヶ月で資金が尽きる状態
- 連鎖反応(キャピタレーション)
- 一部の株が下がる → 投資家が不安になる → さらに売る
- 信用で買っていた人(マージン取引)が強制売却される
- 自己強化的な下落スパイラル
心理的な転換点:
- グリーンスパンの警告は1996年から存在していたが、具体的なきっかけがなければ誰も動かない
- 日本の景気後退やマイクロソフト判決という外部ショックが「最初の一押し」に
- 一度売りが始まると、「裸の王様」状態が露呈
- 皆が「もしかして、これヤバいんじゃない?」と同時に気づいた
つまり: 景気後退懸念がなくても、バブルは本質的な価値の欠如と外部ショックによって崩壊します。問題は最初からそこにあったのですが、誰も見たくなかっただけです。そして、きっかけさえあれば、一気に認識が変わり、パニック売りが始まる——これがバブル崩壊のメカニズムです。
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