今回の戦争で原油上がるのはわかるけどなぜアメリカのWtiも上がる?
0:12
良い質問です。WTIはアメリカ産原油ですが、それでも上がる理由はいくつかあります。
原油市場はグローバルに連動しているから
原油は国際商品なので、世界のどこかで地政学リスクが高まると、WTIもブレントも連動して動きます。トレーダーが「供給不安」をリスクとして織り込むためです。
具体的な理由
- 裁定取引(アービトラージ) — ブレント原油が上がれば、割安なWTIを買う動きが起き、結果的にWTIも上昇
- 投機・先物市場 — ヘッジファンドなどが「戦争=原油高」として先物を買い、WTIも押し上げる
- 輸出市場の競争 — アメリカはシェールオイルを大量輸出しており、世界価格に影響を受ける
- 代替需要 — 中東産が不安定になると、アジア・欧州の輸入業者がアメリカ産に切り替え→WTI需要増
簡単に言うと
「アメリカ産だから関係ない」ではなく、原油はドル建ての国際商品なので、地政学リスクはWTI・ブレント・ドバイ原油すべてに波及します。
どの戦争・紛争を念頭に置いていますか?状況によってさらに詳しく説明できます。
アメリカ国内の原油価格も上がるの?
0:13
はい、上がります。ただし少し複雑な構造があります。
アメリカ国内のガソリン・エネルギー価格も上がる理由
アメリカのシェール企業はWTI価格で売る
- 国内の石油会社も「国際価格で売れる」なら、わざわざ安く国内に売らない
- 輸出できる環境(2015年に輸出解禁)になってから、国内価格も国際価格に連動しやすくなった
ガソリン価格への波及
- 製油所の仕入れコスト(原油)が上がる → ガソリン価格も上昇
- アメリカ人も普通にガソリン高騰を経験する
ただし「上がりにくい要因」もある
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 世界最大の産油国 | 自国産が多いので輸入依存度が低い |
| 戦略石油備蓄(SPR) | 政府が放出して価格を抑制できる |
| シェール増産 | 価格が上がると生産量を素早く増やせる |
まとめ
短期:上がる(国際価格に連動)
中長期:シェール増産や備蓄放出で、中東依存国より価格上昇が緩やかになりやすい
だからトランプ政権などが「Drill, baby, drill(もっと掘れ)」と言うのも、エネルギー自給でインフレを抑えるという発想からきています。
日本はアメリカから輸入しないの?
0:15
実は日本はアメリカからも輸入しています!ただし割合は少ないです。
日本の原油輸入先(2024年頃)
| 国 | 割合 |
|---|---|
| サウジアラビア | 約40% |
| アラブ首長国連邦 | 約35% |
| クウェートなど中東 | 約10% |
| アメリカ | 約5〜8% |
| その他 | 残り |
中東依存度が約95% と非常に高いのが日本の特徴です。
なぜアメリカからあまり買わないの?
- 輸送コストが高い — 中東より距離が遠い
- 中東の方が安い — 長年の取引関係で安定した価格
- 日本向けの油質 — 中東産が日本の製油所の設備に合っている
でも最近は増えている
- 中東リスク分散のため、アメリカ産LNG(液化天然ガス)や原油の輸入を意図的に増やしている
- トランプ政権も「日本はもっとアメリカから買え」と圧力をかけている
つまり日本にとっては
中東で何か起きると直撃を受けやすい構造になっています。これが円安と重なると、エネルギー価格が二重に上がるという日本特有のリスクがあります。
米国10年期待インフレ率を見ててなぜか最近の原油高を見てもそこまであがってません、どうして?
1:00
鋭い観察ですね。いくつか理由が考えられます。
期待インフレ率が原油高ほど上がらない理由
①市場が「一時的」と見ている
- 戦争による原油高は「需要増」ではなく「供給ショック」
- 過去の経験から、地政学リスクによる原油高は長続きしないと市場が判断しがち
- 停戦・外交進展を織り込んで、すでに落ち着くシナリオを想定している
②アメリカ国内の供給力への信頼
- シェール増産余地があるので「上がったら増産できる」という安心感
- トランプ政権の増産姿勢も期待インフレを抑制する方向に働く
③景気後退懸念が相殺している
- 関税・貿易摩擦による景気減速懸念が同時に存在
- 景気が悪くなると原油需要も落ちるという見方がインフレ期待を押し下げる
- 「スタグフレーション」への警戒もあり、単純にインフレ期待が上がりにくい
④BEI(ブレークイーブンインフレ率)の構造的な問題
- 期待インフレ率はあくまで債券市場の価格から逆算したもの
- 債券に逃避資金が流入すると、インフレ期待と無関係に数値が動くことがある
簡単に言うと
原油高は「見えている」けど、市場は長続きしないと賭けている、かつ景気不安がインフレ期待を打ち消しているという状態です。
もし期待インフレが原油と連動して急上昇し始めたら、それは市場が「今回は本物のインフレになる」と見方を変えたサインになります。
短期的な原油高と見ているってことね
1:02
そうです、まさにその理解で合っています。
市場の見方を整理すると
「今回の原油高は地政学リスクによる一時的なもので、構造的なインフレにはつながらない」
という判断が織り込まれている状態です。
過去のパターンとの比較
- 2022年ウクライナ侵攻時 → 期待インフレも原油も同時に急上昇 → 市場が「長期化・構造的」と判断した
- 今回 → 原油は上がっても期待インフレは抑制的 → 市場が「短期的・一時的」と判断している
注意点
ただし市場の見方は突然変わることがあります。
- 紛争が長期化・拡大する
- OPECが減産に動く
- アメリカの増産が思ったより進まない
こういった展開になると、期待インフレが後から急追いしてくるリスクはあります。
その意味では今の期待インフレの落ち着きは「楽観の裏返し」とも読めますね。
今回のオイルショックは1973と1979どっちににてる?
11:08
面白い比較ですね。現在の状況を確認してから答えます。
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とても面白い質問です。今回の状況を踏まえて比較します。
1973年と1979年の違いをまず整理
| 1973年 | 1979年 | |
|---|---|---|
| 原因 | OAPECの禁輸(政治的・意図的) | イラン革命による供給崩壊(混乱) |
| 性質 | 需要はあるのに供給を止めた | 生産能力自体が失われた |
| 価格上昇 | 約4倍(急騰) | 約2.5倍(じわじわ) |
| インフレ | 即座に激しく波及 | スタグフレーションが深刻化 |
| 西側の対応手段 | ほぼなし | 一定の備蓄・代替あり |
今回はどちらに近いか
構造的には1973年より1979年に近い、ただしどちらとも違うという見方が適切です。
1979年に似ている点
- 中東の地政学リスクによる供給不安
- 市場が「どこまで拡大するか」を読めない不確実性
- じわじわ上がる形
1973年と明確に違う点
- OAPECのような「意図的・組織的な禁輸」ではない
- 西側へのターゲットを絞った攻撃ではない
どちらとも決定的に違う点
- アメリカがシェールで世界最大の産油国になっている
- 戦略石油備蓄(SPR)が整備されている
- OPECの市場支配力が1970年代ほど絶対的ではない
- 市場が「一時的」と判断している(さっきの期待インフレの話に戻ります)
まとめると
1970年代のオイルショックは「構造的・長期的な供給破壊」だったが、今回は市場が「一時的なリスクプレミアム」として処理しています。だから期待インフレが上がらない、という流れで全部つながっています。
もし今後ホルムズ海峡が封鎖されるような事態になれば、一気に1973年型に近づくリスクはあります。
過去の原油価格をみるには?トレーディングビューのティッカーは?1973年をみたい。先物のCL1!はみれない
11:14
TradingViewで1973年まで遡るためのティッカーをいくつか紹介します。
おすすめティッカー
| ティッカー | 内容 | 1973年対応 |
|---|---|---|
| USOIL | WTI現物(インターバンク) | ✅ 1970年代まで遡れる |
| CRUDEOIL | WTI現物 | ✅ 遡れる場合あり |
| $WTIC | WTI指数 | ✅ 長期データあり |
手順
- TradingViewの検索バーに
USOILと入力 - 時間足を W(週足) か M(月足) に変更
- チャートを左にスクロール、または「Go to date」で1973年を指定
それでも見れない場合
Macrotrendsがおすすめ
- URL:
macrotrends.net/1369/crude-oil-price-history-chart - 1860年代から現在まで対応
- インフレ調整済みチャートも見れる(これが重要)
注意点
1973〜1979年の比較には**インフレ調整済み(real price)**で見ることをおすすめします。名目価格だと当時のドル安が混在して実態がわかりにくいです。
1973年型のFRBの対応は?
11:17
良い質問です。1973年型のFRBの対応は、現代の教訓として非常に重要です。
1973年当時のFRBの対応(バーンズ議長)
致命的な失敗:「コアインフレ」の恣意的な除外
当時のアーサー・バーンズ議長がやったことは後世に最悪の事例として語り継がれています。
- 「原油高は一時的な供給ショックだから利上げ不要」と判断
- 食料・エネルギーを除いたコアインフレを発明して問題を矮小化
- ニクソン大統領の政治圧力に屈して金融緩和を維持
結果として
インフレが賃金に波及 → 賃金上昇がさらにインフレを押し上げる「賃金インフレスパイラル」が発生
時系列で見ると
| 時期 | 出来事 | FRBの対応 |
|---|---|---|
| 1973年 | 第一次オイルショック | 利上げが遅すぎ・中途半端 |
| 1974年 | インフレ12%超 | ようやく利上げするが手遅れ |
| 1975年 | 景気後退を恐れて利下げ | インフレ再燃を招く |
| 1979年 | 第二次オイルショック | インフレ14%超に |
| 1979年 | ボルカー議長就任 | 金利を**20%**まで引き上げ |
ボルカーショックで終止符
バーンズの失敗のツケをボルカーが払うことになり、政策金利を20%近くまで引き上げる超緊縮で最終的にインフレを潰しました。ただし深刻な景気後退も引き起こしました。
現代のFRBが学んだ教訓
2022年以降のパウエル議長の対応はまさに「バーンズの失敗を繰り返すな」という意識が強く働いています。
- 「一時的(transitory)」と言い続けた失敗を認めて早期に利上げ転換
- 期待インフレの「アンカリング」を最優先
- 政治圧力に屈しない姿勢を強調
今回への示唆
今の市場が期待インフレを落ち着かせていられるのは、FRBへの信頼=インフレ期待のアンカリングが機能しているからです。
もし今回の原油高が長期化してFRBが対応を誤れば、1973年の再現リスクがあります。そういう意味でFRBの発言には今後も注目が必要です。
なぜ当時利上げとともに株価は持ち直し、金は下落した?
11:19
非常に鋭い観察です。これは一見直感に反しますね。
整理:何が起きたか
ボルカーが金利を20%近くまで上げた1980〜82年頃
- 株価:短期急落の後、1982年から大強気相場へ
- 金:1980年にピーク(850ドル)→その後長期下落
なぜ株が持ち直したか
「インフレが終わる」という期待が株を買わせた
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| インフレ退治への信頼 | ボルカーが本気だとわかり、将来の実質収益が読めるようになった |
| 実質金利の上昇 | 名目金利20%でもインフレが下がれば企業の実質コストは下がる |
| バリュエーションのリセット | 株価がインフレ期に売られすぎていた(割安) |
| レーガノミクス | 減税・規制緩和への期待が重なった |
つまり
「金利が高い=株に不利」ではなく、「インフレが終わる確信=将来キャッシュフローが読める=株を買える」という転換が起きた
なぜ金が下落したか
金はインフレヘッジであり**「通貨不信任票」**です。
| 局面 | 金の動き |
|---|---|
| 1970年代 | インフレ・ドル不信任で急騰 |
| 1980年以降 | インフレ退治成功→ドルへの信任回復→金不要 |
さらに
- 実質金利がプラスに転換したことが決定的
- 金は利息を生まないので、実質金利が高いと保有コストが大きくなる
- 「金よりドル預金の方が得」という計算が成立した
核心をひとことで言うと
金と株の分岐点は「インフレ期待が꺾れた瞬間」
- インフレ継続を信じる間 → 金↑ 株↓
- インフレ終焉を信じた瞬間 → 金↓ 株↑
これは今も同じ構造で、期待インフレ率と実質金利を見ることが重要という話に戻ってきます。
1975年の話ね
11:20
なるほど、失礼しました。1975年に絞って整理します。
1975年に何が起きたか
1974年の利上げ後、FRBは景気後退を恐れて急に利下げに転じました。
その時の株・金の動き
株価(S&P500)
- 1973〜74年:インフレ+利上げで約50%暴落
- 1975年:急反発・大幅上昇
金
- 1975年:一時下落・横ばい(1980年の天井はまだ先)
なぜ1975年に株が持ち直したか
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| FRBの利下げ転換 | 金融緩和への期待で株買い |
| 売られすぎの反動 | 1974年の暴落が行き過ぎていた |
| 景気底打ち期待 | リセッション終了の兆しが見えた |
なぜ金が下落したか
ここが重要です。
1975年はアメリカ市民が初めて金を合法的に保有できるようになった年(1971年のニクソンショック後の規制解除)
- 解禁前から「解禁されたら皆が買う」と織り込まれて金価格は上昇していた
- 実際に解禁されたら材料出尽くしで下落
- 典型的な「噂で買って事実で売る」
1975年の本質
FRBが利下げに転じた=「インフレより景気を優先」と市場が読んだ
- 株:緩和期待で上昇
- 金:材料出尽くし+利下げでインフレ再燃はまだ先と判断
ただしこの利下げがバーンズの最大の失敗で、インフレを再燃させ1979年の第二次オイルショックへの伏線になりました。
1975年は利上げでしょ?
11:21
ご指摘ありがとうございます。確認します。
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おっしゃる通りでした、訂正します。実際はもっと複雑な動きでした。
1975年の実際のFRBの動き
FRBは1975年3月に金利を16%まで引き上げ、その後すぐに急転換して4月には5.25%まで大幅利下げしました。 The Balance
つまり利上げと利下げが同じ年に両方起きたという異常な動きです。
これがまさに「ストップ・ゴー政策」の典型
バーンズのFRBはインフレ抑制を目指しながら、雇用が悪化するたびに方針を逆転させる「ストップ・ゴー」政策を繰り返しており、これが将来のインフレ期待を不安定にさせました。 Federal Reserve Bank of Richmond
| 時期 | 動き | 理由 |
|---|---|---|
| 1974年〜1975年3月 | 利上げ(最大16%) | インフレ退治 |
| 1975年4月以降 | 急激な利下げ(5.25%へ) | 景気後退・失業率悪化を恐れて |
なぜ株が上がり金が落ち着いたか(1975年)
- 株:急利下げ転換→緩和期待で反発
- 金:利上げ局面での実質金利上昇と、金保有解禁の材料出尽くし
教訓
この1974〜75年の景気後退後に再び大規模な金融緩和に転じたことが、1979年の第二次オイルショック時のインフレ再燃につながりました。 Dallas Fed
先ほどの私の説明が不正確でした。ご指摘ありがとうございます。
どうして利下げ下の?インフレだったんでしょ?
11:23
当時の最大の理由は、バーンズ議長が「インフレより失業・景気後退を優先せざるを得なかった」からです。1974〜75年の景気後退のどん底では、インフレが10%超でありながら、失業率も9%近くまで悪化するというスタグフレーションの状態でした。 Federal Reserve Bank of Richmond
具体的な理由
①政治圧力 当時の世論と政府にとって「完全雇用が最優先」という空気が強く、バーンズ自身も後に「雇用が政府と国民の最大関心事だった」と認めています。 Federal Reserve Historyニクソン・フォード政権からの圧力も強かった。
②FRBのジレンマ
インフレを潰すには高金利を維持する必要があるが
- 失業率が急上昇
- GDPがマイナス成長
- 企業倒産が増加
という状況で**「このまま利上げ継続は無理」と判断した**
③「原油高は一時的」という誤認 FRBは原油価格上昇によるインフレは金融政策ではコントロールできないと考え、むしろエネルギーコストによる景気悪化に対応しようとしました。 Federal Reserve History
結果として
インフレ退治を途中で諦めた→インフレ期待が再び上昇→1979年の第二次オイルショックで手がつけられない状態に
これがボルカーが**金利20%**という極端な措置を取らざるを得なかった背景です。「バーンズが中途半端にやったツケをボルカーが払った」と言われる所以です。
二つのショック時の円の動きは?
11:45
良い質問です。確認します。
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データが取れました。非常に興味深い動きです。
二つのオイルショック時の円の動き
数字で整理するとこうなります。
| 時期 | ドル円 | 動き |
|---|---|---|
| 1973年初(ショック前) | 271円 | 円高進行中 |
| 1974〜76年 | 290〜300円 | 円安に反転 |
| 1978年 | 211円 | 貿易黒字で円高に戻る |
| 1979年(第二次ショック) | 再び下落 | 円安に反転 |
| 1980年 | 227円 | 円安定着 |
なぜオイルショックで円安になったか
日本は原油を100%輸入に頼っている
- 原油高→日本の輸入コスト激増→経常収支が悪化
- ドルで原油を買うためドル需要が増える→円売り・ドル買い
- 結果として円安に動く
二つのショックの違い
1973年型:円安幅が大きく急激、インフレも23%超に達した
1979年型:1978年に円高(211円)まで戻っていたところからの反転なので、ダメージの起点が違う
現在との比較で重要な点
1970年代と今の決定的な違いは日米金利差です。当時は金利差よりも貿易収支が為替を動かす主な力でしたが、現在は金利差と貿易収支の両方が円安圧力になっているため、オイルショックが起きると二重の円安リスクがあります。
1973年の10月にオイルショックが起きてて、その年の11月に金が暴騰してる理由は?
12:28
良い質問です。確認します。
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非常に深い質問です。実はここに1973年の本質が隠れています。
なぜ1973年11月に金が暴騰したか
理由は複数が絡み合っています。
①ニクソンショック(1971年)との連動
1971年のブレトンウッズ体制崩壊で金とドルの固定リンク(1オンス=35ドル)が切れました。金価格は自由市場で決まるようになり、1970年代末には455ドルまで上昇しました。 Federal Reserve History
つまり1973年のオイルショック前から金はすでに上昇トレンドにあった。
②OPECのドル不信任が金を押し上げた
OPECは1971年以降、原油の対価として受け取るドルの価値が金に対して下落していることに不満を持っており、ヨム・キプール戦争をきっかけに価格を引き上げた可能性があります。 BullionVault
つまり原油高と金高は同じコインの裏表、どちらも「ドル安・ドル不信任」の表れでした。
③インフレ加速への恐怖
オイルショックによりガソリン小売価格が1973年11月だけで40%急騰し、インフレへの恐怖が一気に高まりました。 Bill of Rights Institute
インフレ恐怖 → 金買いという動きが加速した。
核心をひとことで言うと
1973年の原油高は地政学的なショックというより、1971年からのドル安・世界的な金融緩和によるインフレが主因であり、原油高はむしろインフレの結果でした。 Dallas Fed
つまり
金も原油も同じ「ドルの信任崩壊」というひとつの現象の異なる表れ
だから10月のオイルショック→11月の金暴騰という流れは、別々の出来事ではなく同じ根っこから出た連鎖反応だったわけです。
じゃあ今、金は下落だけどここからインフレ懸念が強まれば金には追い風?
12:30
その通りです。ただし今の金の動きは少し複雑なので整理します。
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まず現状を整理させてください。
今の金の状況を確認
金は2025年1月の2,624ドルから4月には3,499ドルまで上昇しました。 LiteFinanceつまり「下落」というより高値圏での調整・一服という状態です。
インフレ懸念強まれば金に追い風か?
基本的にはYES、ただし条件があります。
鍵は実質金利です。
| 状況 | 金への影響 |
|---|---|
| インフレ上昇+FRBが利上げ追いつかない | ✅ 実質金利マイナス→金に強い追い風 |
| インフレ上昇+FRBが積極利上げ | ❌ 実質金利プラス→金に逆風 |
| インフレ上昇+景気後退同時(スタグフレーション) | ✅ 安全資産需要で金上昇 |
今の金を動かしている特殊な要因
今の金上昇は従来のインフレヘッジだけでなく、ドルの基軸通貨としての地位への疑問、地政学リスク、新興国中央銀行による脱ドル化の動きが重なっています。外国中央銀行が保有する金がすでに米国債を上回っています。 VanEck
つまり1973年型の「ドル不信任→金買い」と構造的に似てきている部分があります。
まとめると
インフレ懸念強まる+FRBの対応が後手に回る=1973年の再現に近づく=金に強い追い風
ただし金は長期的に上昇余地があるものの、記録的な高値水準にあるため、短期的な急落リスクも同時に高まっています。 VanEck
今の金はインフレヘッジとドル不信任の二つの買い材料を持っているだけに、インフレ懸念が強まれば追い風は1973年当時より強くなる可能性があります。
FRBが鍵か
12:31
まさにそこが核心です。
FRBが鍵である理由
今の構図を整理すると
インフレ懸念強まる場合のシナリオ分岐
| FRBの対応 | 実質金利 | 金 | 株 |
|---|---|---|---|
| 積極利上げ(ボルカー型) | プラス上昇 | ↓ | 短期↓→中長期↑ |
| 様子見・後手(バーンズ型) | マイナス継続 | ↑ | 混乱 |
| 利下げ転換(景気優先) | マイナス拡大 | ↑↑ | 短期↑→インフレ再燃 |
今のFRBが直面している1975年と同じジレンマ
- 関税によるインフレ圧力 ←→ 景気減速懸念
- トランプ政権からの利下げ圧力 ←→ インフレ抑制の責務
- 期待インフレのアンカリング維持 ←→ 雇用悪化への対応
これはまさにバーンズが直面したジレンマと同じ構造です。
市場が今最も注目しているのは
「パウエルはバーンズになるか、ボルカーになるか」
- 政治圧力に屈して利下げ→バーンズの再現リスク→金↑↑
- インフレ優先で据え置き継続→ボルカー型→金↓、長期的には株↑
一言で言うと
金の方向性はFRBがインフレと景気のどちらを優先するかで決まる
そしてその判断を誤ると、1970年代の「ストップ・ゴー」の繰り返しになりかねない、というのが今の最大のリスクです。
でも、パウエルの時って、コロナとウクライナ戦争のダブルの要因で、全体的にインフレだったけど今回はオイルだけで同じようなインフレになる可能性あるの?
12:42
鋭い指摘です。本質的な違いを整理します。
コロナ+ウクライナ時と今回の違い
| 2021〜2022年 | 今回 | |
|---|---|---|
| 需要側 | 財政出動・給付金で需要爆発 | 関税不安で需要減速懸念 |
| 供給側 | サプライチェーン全崩壊 | 原油のみ |
| 労働市場 | 超過熱・賃金急騰 | やや軟化傾向 |
| エネルギー | 原油+ガス+電力すべて上昇 | 主に原油 |
| 食料 | ウクライナ産穀物途絶 | 今のところ影響限定的 |
原油だけで全体インフレになりにくい理由
①経済の脱石油化が進んでいる
- サービス業の比率が高まり、GDPに占める原油依存度が1970年代より大幅に低下
- 電気自動車・再エネの普及で原油の波及効果が弱まっている
②賃金への波及が起きにくい
- 今は労働市場が軟化傾向
- 1970年代は強力な労働組合が賃金を自動的に物価に連動させていた
③期待インフレがアンカーされている
- これが最大の違い
- 1973年はFRBへの信頼がなく、インフレ期待が簡単に上がった
ただし「原油だけでも怖い」シナリオがある
関税インフレ+原油高の組み合わせ
これが今の最大のリスクです。
- 原油高単独ならコアインフレへの波及は限定的
- しかし関税によるコスト上昇がすでにじわじわ進行中
- そこに原油高が重なるとスタグフレーション的な圧力が生まれる
結論
原油だけでは2021〜22年型の全面インフレは起きにくい。ただし関税+原油のダブルで、FRBが身動き取れない「1975年型のジレンマ」に陥るリスクはある。
だからFRBが鍵、という話に戻ってきます。
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